看護師が日常ケアの延長でできるリハビリテーション“ちょっとリハ”とは?今回は、口腔ケアをしながら、「話す」「食べる」といった機能維持のためにできる工夫を紹介します。
顔面・舌に刺激を与えて機能を維持
口腔ケアの際に「話す」「食べる」といった機能を維持するため、顔面や舌に刺激を与えます。
図1 口腔ケアの際にスポンジブラシを用いて行う

手で直接行ってしまうと、噛まれる危険があったり、患者さんの不快感を増強させたりするので、口腔ケア用のスポンジブラシや綿棒を使用します。
図2 スポンジブラシ

●ソフトな素材でできており、粘膜にやさしい
●柄はプラスチック製で一定の強度があり、口内や舌のストレッチに向いている
間接訓練に適さないもの
●スポンジの目が粗いと、口内粘膜が脆弱な患者さんには不適当
●柄が紙でできていると、水などへの耐久性が弱い
図3 柄付くるリーナブラシ

●歯ブラシのようなしっかりとした毛先が円状に並んでいるため、粘性痰が絡みやすく、痰の多い患者さんの口腔ケアに向いている
図4 モアブラシ

●口内に入れるには大きめであるものの、繰り返し使え、粘膜を傷つけにくい点から、自分で舌を動かす力の強い患者さんの口腔ケアによい。小さいヘッドのものも市販されている
スポンジブラシで適度な抵抗を加える
スポンジブラシは口内粘膜の保護のために、ヘッド部分が柔らかいものを使うとよいでしょう。 スポンジブラシの柄から伝わってくる患者さんの筋力を指先で感じながら、適度な抵抗を加えるようにします(図5)。
協力動作が得られる患者さんであれば、スポンジブラシを押し返してもらうように伝えます。
図5 スポンジブラシを用いた舌面への圧刺激
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