ですから、それらをも包含した奥行きと深さのある「願いと思い」をすべて認めて受け止めることによって、本人は初めて楽になって元気を取り戻し、自分の主体的な意思で学校/社会とどう向き合っていくかを決めて実行することができるようになるのではないでしょうか。
それとも「思い」を認めずに「願い」だけで頭がいっぱいのまま、脇目も振らずまっしぐらに突き進んで復帰を果たしたほうが、その先の人生に深い納得と肯定感が得られるのでしょうか。
私は「願い」と「思い」のどちらを否定しても、本人は楽にならないように思います。したがって〝願いと思いの葛藤ロード〞を歩み続けて自分の生き方を見出したときに「自分の生き方に何が必要か」を自問した結果「学校だ」と判断すれば学校に復帰すればいいし「仕事だ」と判断すれば仕事に就けばいい、それでこそその先の人生に深い納得と肯定感が得られる、と考えるのです。
この「人生に深い納得と肯定感が得られる」ということを究極の目標に据えて相談援助業務にたずさわっていて見えてきたものを、これからお示ししていきます。お子さんの状況に合った提案を見つけてください。
『不登校・ひきこもりが終わるとき』
丸山康彦 著
照林社、2024年、定価 1,870円(税込)
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