ワケがあって医師がオーダーしている画像検査。臨床場面でナースがとりたい画像からの情報をわかりやすく示します。第45回は、背部痛患者の急性大動脈解離を疑って画像を見る際のポイントについてです。

 背部痛の患者での画像の着目ポイントは第44回を参照ください。

急性大動脈解離を疑って、大動脈径の拡大や偽腔がないか見ている

急性大動脈解離の特徴

 急性大動脈解離とは、簡単に言うと「大動脈が裂ける病気」です。患者さんは、血管が裂ける痛みを「移動する激しい背部痛または胸背部痛」として自覚します。

 大動脈が裂けると、もともとの血管腔(真腔)と、中膜が裂けてできた偽腔ができます(図1)。偽腔で真腔が圧排されて狭窄・閉塞してしまうと血流障害が起こり、多彩な症状を認めます。

図1 大動脈解離で偽腔ができるイメージ

大動脈解離で偽腔ができるイメージ

 また、外膜まで破れてしまうと動脈性の出血が起こり、あっという間にショック状態となり、死に至ります(解離性大動脈瘤破裂)。 鑑別の際は、採血ではD-dimerが上昇しているか(血栓のサイン)をチェックします。D-dimer上昇のない場合においては可能性が低くなります。

急性大動脈解離の画像所見

 大動脈解離では偽腔が生じるぶん、血管径が大きくなります。結果としてX線画像の真ん中の「縦隔」と呼ばれる部分が拡大します(図2)。
 ただし、撮影体位などでも変わってくるため、単純胸部X線だけでの判断は困難です。

図2 大動脈解離の胸部X線

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