ワケがあって医師がオーダーしている画像検査。臨床場面でナースがとりたい画像からの情報をわかりやすく示します。第53回は、腹痛の患者での胆嚢炎・胆管炎、急性膵炎を鑑別するポイントについてです。
腹痛の患者での画像の着目ポイントは第47回を参照ください。
画像での胆嚢炎・胆管炎の鑑別
腹痛、嘔吐、発熱で特に右季肋部周囲に自発痛がある場合に考えます。以前に胆嚢炎・胆管炎になってチューブやステントが挿入されている場合は、チューブ内・ステント内が閉塞して感染を起こしていることもあるため、既往歴を過去のカルテで調べておく必要があります。
なお、結石やチューブ・ステント閉塞などで閉塞起点のある場合は、ショックへ陥る可能性があります。経過観察をする際は、モニターを接続しバイタルサインを頻回にチェックしましょう。
画像検査では、腫大した胆嚢や胆管内に結石がないかを見ます。結石が胆管内にあったり、腫瘍によって閉塞があると、その閉塞を解除する必要があり、緊急ドレナージ処置が必要となってきます1。
●黄疸が出ていることがあり、家族や周りの人に「いつから黄疸が出ているか」「黄疸にいつ気づいたか」「尿の色はいつごろから変化したか」確認しておく
●敗血症へ陥ることがあるため、悪寒や戦慄がないか気をつける
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