認知症で、座位を保持する能力が低い患者さんの車いすでの注意点とは?身体に負担をかけないために選択すべき車いすを紹介します。

リクライニング型車いすでのずり落ちに注意

 患者さんのなかには、座位を保持する能力が低いという理由で、頭部までサポートのある車いすに乗車される方がいらっしゃると思います。

 その際、バックサポートのみが後方に傾斜するリクライニング機能しかない車いすでは、次第に身体が前方へすべり落ちやすくなり、またバックサポートの角度を起こした際に、さらに身体が下方・前方へずれてしまいます(図1)。

図1 リクライニング型車いすでずり落ちてしまう例

リクライニング型車いすでずり落ちてしまう例

 この姿勢はもはや座位なのか臥位なのかはっきりせず、【第6回】図1の車いす不良姿勢以上のすべり座りを呈するため、身体への負担がさらに大きくなります。

 このタイプの車いすに長く座っている患者さんのなかには、ずり落ちを止めるために図2のようにアームサポートをつかんで離さなくなる方もおられます。「認知症だからつかんだ手を離せない」のではなく、「不安定な状況のなかで、力を振り絞って安定を求めている状態」といえるのではないでしょうか。

図2 アームサポートをつかむ例

アームサポートをつかむ例

ティルト・リクライニング型車いすのポイント

この記事は会員限定記事です。