認知症患者さんの車いすでの姿勢の注意点とは?不適切な介助による不良姿勢のリスクと、良好な座位姿勢へと修正するためのポイントを紹介します。
不適切な介助による不良姿勢のリスク
起き上がりの介助(【第3回】)、立ち上がり・車いすへの移乗の介助(【第4回】)が不適切だと、患者さんは図1のように殿部が前方へずれ、体幹や頸部が後方へ反り返った不良姿勢(すべり座り)となりやすいです。
図1 不良姿勢(すべり座り)の例

この姿勢で過ごすと、腹部が圧迫され呼吸が苦しくなり、頸部周りが緊張して嚥下がしにくくなり、また誤嚥した場合にもしっかり咳嗽して喀出することが困難となります。
さらに、仙骨・尾骨部にはズレが生じて褥瘡発生リスクが高まり、痛みが全身を緊張させ拘縮の原因にもなります。
不良姿勢を修正する際のNG例
このような不良姿勢(すべり座り)の患者さんを良好な座位姿勢へと修正するには、どうすればよいでしょうか。現場で多く見かけるのは、図2のように介助者が背部に位置して前腕を持ち、そのまま力任せに持ち上げる方法です。
2人介助の場合であっても、持ち上げていることに変わりはありません。患者さんは苦痛や恐怖を感じ、場合によっては肋骨や前腕の介護骨折、腋窩部や前腕の皮膚トラブルなども起こりえます。介助者にとっても持ち上げる介助は腰痛を引き起こしやすく、双方にかかる負担は大きいといえます。
図2 現場でよくみかける車いす姿勢の調整の例

不良姿勢を正しい姿勢に修正する介助方法
この記事は会員限定記事です。

