【第1回】鎮静の合併症
【第3回】横浜市立大学附属病院での取り組み(概要)
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【第1回】鎮静の合併症で紹介したガイドラインは、あくまでも“検査や処置中の鎮静を安全に行うこと”が目的の記述ですが、国内での鎮静に関する医療事故報道を見てみると、その多くは病棟で発生しています。
そのなかには、病棟でせん妄患者に対してベンゾジアゼピン系薬物を使用して上気道閉塞をきたしたもの、麻薬持続静注の用量間違いによって呼吸停止をきたしたものなど、病棟においての鎮静薬投与によるものもありますが、検査・処置室で鎮静を行った患者さんが病棟帰室後に急変したものもあります。
下記に事例を示します。
●70歳代男性
●内視鏡室にてミダゾラム、ジアゼパム、ペンタゾシンにて鎮静下にERCPを実施
●内視鏡室にては特に問題は起きなかった
●病棟帰室の数分後、看護師の呼びかけに患者さんが反応せず自発呼吸も確認できない状態で、モニタ上SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)が90%を下回り、徐脈傾向となってきた
●看護師が院内急変コールをかけ、医師が気管挿管を行った
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