【第1回】治療の場での精神症状へのかかわり方
【第3回】身体疾患による精神症状を除外する
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 では、患者さんを“抱えて”“こころのスペースを広げる”ために、ナースの皆さんにはどのようなことができるでしょうか。

対応1 安易な共感はせず、“認証する”

基本は患者さんの言葉を“なぞって繰り返す”

 精神的な対応において、よく出てくるのは“共感”という言葉。患者さんを癒すには共感をもってこちらで抱えればよいのだ、という指摘も確かにありますが、いたずらに共感してしまうのはちょっと恐い部分もあります。
 特に身体疾患の患者さんは「健康なあなたに、わたしのこの痛みやつらさをわかられてたまるか!」という思いを抱くことがあります。

 医療者が支持していると思っていても、患者さんは侵襲と感じることもあるため、精神症状に安易な共感はしない。これが重要です。患者さんの気持ちをなぞるように聞き、わからない部分があれば詰問調にならないように繰り返し聞いてみて理解を深めていく(“なぞって繰り返す”がポイント)。
 気持ちのすれ違いにならないように、「こちらの思い描いているイメージ」と「患者さんのもつイメージ」ができるだけ一致するように心がけます。

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