発熱時のクーリングが有効な場合を紹介。体温調節のしくみや、クーリングの目的・リスクなども解説します。

体温調節のしくみとは?
体温は、視床下部にある体温調節中枢においてセットポイントが調節されています。
人は、自律性調節と行動調節によって熱の産生と放散のバランスをとり、一定の閾値(いきち)をもってセットポイントとなっている体温を維持しています。
発熱は、このセットポイントが高値となっている状態を指します。体温調節中枢でのセットポイントの推移を図11に示します。
図1 体温調節中枢でのセットポイントの推移

発熱のメカニズムとは?
●発熱を引き起こす発熱物質には、細菌からの毒素や、腫瘍・心筋梗塞等によって生体組織が破壊され遊離する「外因性発熱物質」と、細菌を貪食した白血球から遊離される「内因性発熱物質」がある
●この発熱物質が前視床下部に作用して、PGE2(プロスタグランジンE2)を遊離させることで体温調節中枢に作用し、セットポイントが上昇して熱産生が促進され、発熱状態になる
●ほかにも、体温中枢への機械的な圧迫や障害、交感神経の緊張、薬物の副作用といったことが原因で、体温調節中枢のセットポイントは上昇する
発熱時のクーリングの目的は?
発熱時のクーリングには、2つの目的があります。
①患者の安楽や疼痛の緩和
②解熱療法の1つとして
クーリングは、冷罨法として発熱した患者さんに心地よさを提供し、身体と心の消耗を最小限にするケアとして有効です。 ただし、②の解熱療法の1つの方法として、どのような状況にも有効というわけではありません。
発熱時のクーリングによるリスクとは?
クーリングは、体表に寒冷刺激を与えることになります。発熱の経過でいうとセットポイントが高値になっている体温の「上昇期」「極期」には、寒冷刺激によって、さらに体温を上昇させようと熱の産生を高め、放散を防ぐ寒冷反応を引き起こす刺激になります。
また、筋弛緩薬の使用時や、深い鎮静下にあることによって寒冷反応が抑制されている患者は産熱の反応を起こすことはありませんが、意識のある患者にとっては、寒冷反応を引き起こす原因になり得ます。
発熱時のクーリングが有効な場合とは?
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