がん対策基本法に基づき策定されるがん対策推進基本計画は2023年で4期目を迎え、「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す」という全体目標のもと、より質の高いがん医療・ケアの提供、そのための取り組みが求められています。

 「がん医療における支持医療をその教育、研究、診療を通して確立し、国民の福祉(Welfare)に寄与する」ことを理念とする日本がんサポーティブケア学会(佐伯俊昭理事長)は、2024年5月18~19日に、埼玉県で第9回日本がんサポーティブケア学会学術集会を開催しました。

 同学術集会は、国内外に向けたがんサポーティブケアの最新の知見や成果を発信する場としており、テーマには「私たちの夢をかなえるがん支持医療 Cancer Supportive Care Makes Our Dreams Come True」が掲げられました。支持療法とは、がんに関連した症状や治療による副作用・後遺症などの予防や、実際に出た症状を軽減するための治療・ケアを指し、今回のテーマにも質の高いがん医療や支持医療がすべての患者に届きよりよいアウトカムへつながるように、といった願いが込められています。

がん患者にとってのよりよい未来について、多角的に考える

 各講演のテーマは、多職種や地域との連携、倦怠感や皮膚障害への対策、高齢がん患者やアピアランスケアなどと多岐にわたっており、多角的な視点での発表が行われました。職種を超えた活発な質疑応答も行われ、立ち見が発生するほど賑わった講演もありました。

会場の埼玉会館。午前から多くの参加者が来場した

 また同学術集会では、会員・医療関係者以外にがん患者やその家族、がんサバイバーなども参加が可能で、18日には市民参画のセッションや19日の夕方には子ども向けのプログラムを含んだ市民講座といった医療者以外の人の周知にも役立つ企画も実施されました。
 第10回がんサポーティブケア学会学術集会は、2025年5月17~18日に和歌山県にて開催予定です。

〇学術集会概要
学会名:第9回日本がんサポーティブケア学会学術集会
テーマ:私たちの夢をかなえるがん支持医療 Cancer Supportive Care Makes Our Dreams Come True
会期:2024年5月18日(土)・19日(日)
会場:埼玉会館
会長:渡邊 清高(帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科 教授)

〇学会情報
一般社団法人 日本がんサポーティブケア学会 HP:http://jascc.jp/

第9回日本がんサポーティブケア学会学術集会ポスター(同学会ホームページから)