毎日行うからこそ、さらにいい方法があれば知りたい口腔ケア!今回は口が開かず、口腔ケアが難しい場合の対応について紹介します。
この記事は『エキスパートナース』2014年9月号特集を再構成したものです。
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口腔ケアをしっかりと行うためには、開口を保持し視野を確保することが重要です。しかし、口が開かず口腔ケアに苦労することは多々あります。
開口が難しい患者の対応方法は、原因によってまったく変わってきます。そのため、なぜその患者が口を開くことが難しいのかを考えることが大切です。
口を開きたくても“開けない”場合
脳神経障害や廃用症候群、拘縮、脳性麻痺などで開口する機能に障害を負った場合、本人の意思にかかわらず開口ができないことがあります。そのため、介助者が開口をサポートする必要があります。
どう対応する?
1)偽性(仮性)球麻痺(両側性に脳を損傷した病態)の患者
原因は?
顔や口への刺激に対して強く噛み込む「咬反射」によって開口障害が起こることがあります。
この場合、麻痺側のK-point(臼後三角最後部やや後方の内側)を刺激することで開口や欠伸(あくび)が誘発されやすくなります。
2)脳性麻痺などで口腔の緊張が強い患者
①開口を誘発させる
●四肢や体幹など離れたところから触れて緊張を和らげる
●口腔前庭に指を挿入し、指全体を使って押し下げると開口が促される場合がある
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