『ICUナースが書いた 補助循環の管理がもっとできるようになる本』は、ICUで「おさえておくべき必須テーマ」をていねいに、わかりやすく解説した新シリーズの1冊目。補助循環管理を行っている患者さんを受け持つときにICUのエキスパートナースが、何を、どうみて、動いているのかがわかります。

 今回は特別に、試し読み記事を公開します。ぜひチェックしてみてください!
 第3回は、機器管理・ケア実践のポイントについてです。

受け持ち交替時には「電源」「ライン類の接続」を必ず確認

 まずは、機器が正常に作動する状況か、安全確認をしなければなりません。

 多くの施設では、チェックリストを用いながら、前勤務者との確認、臨床工学技士との確認を行うシステムをとっていると思います。チームで治療・ケアを実践していくうえでは、それぞれの専門職の視点を交えながら、1つ1つ確実に確認していきましょう。

IABPのコンセントは「非常用電源」に接続する…CHECK1

 IABPのみならず、医療機器全般に関していえることですが、コンセントから電源が抜け落ちていないか、非常用電源に接続されているかなどを確認することが重要です。

IABPの「ライン類の接続状況」を確認する…CHECK2

 コンセント以外のライン類の接続不良や外れがないか確認します。
 IABPの構造をイメージしながら、機器本体と患者に接続されているものは何かを理解し、「このラインは、このようにつながっていなければならない」などと1つひとつ確認していきましょう。
 つながれているライン類は、IABPカテーテルのほか、いくつか本体―患者間で接続されているライン類【表1】があるため、忘れずに確認してください。

心電図ケーブルの「固定状況」を確認する…CHECK3

 上記のほかに、心電図トリガーで使用する心電図ケーブルもあります。IABPの駆動にあたって使用しているトリガーモードにもよりますが、心電図シールがはがれたり、誤ってはがしてしまったりしないよう工夫することも重要です。

IABPカテーテルの「刺入部・固定部の縫合」「挿入長」を確認する…CHECK4

 刺入部・固定部の確認も重要です【図1】。IABPカテーテルは、血管内に留置したシースを通して、根元(🅐の部分)まで挿入されます。このとき、刺入部(🅑の部分)およびカテーテルの固定部(🅒の部分)で体表面に縫合されている場合が多いです。
 多くの場合、挿入部は透明ドレッシング材で固定されています。そのため、これらの縫合部位が外れたり、引っ張られたりしていないか確認します。
 IABPカテーテルの挿入長は、挿入を調整する部分(🅓の部分)にあるメモリで確認することができますので、挿入時の長さから変化していないか確認します。

ICUナースが書いた 補助循環の管理がもっとできるようになる本
齋藤大輔 著、山下 淳 医学監修
B5・128ページ・定価 2,420円(税込)
照林社

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。