服薬を職員の多い昼1回にまとめることを推奨

 日本老年薬学会は5月17日、『高齢者施設の服薬簡素化提言』を公開しました。提言は以下の2点で、適用対象は高齢者施設のすべての入所者/入居者、利用対象は高齢者施設のすべての医療介護職です¹,²。

提言1 服薬回数を減らすことには多くのメリットがある
服薬回数を減らすと、誤薬リスクの低下と医療安全の向上に加えて、入所者/入居者にとっては服薬負担の軽減と服薬アドヒアランスの向上、施設職員にとっては与薬負担の軽減と勤務の平準化が期待できる。

提言2 服薬は昼1回に:昼にまとめられる場合は積極的に検討する
施設職員の多い昼の時間帯に服薬を集約することで、さらなるメリットが期待できる。ただし、昼服用に適さない薬剤もあり、また療養場所が変わったときには再度の見直しが必要になるなど制限もある。

 同学会は服薬回数が多いことのデメリットとして、誤薬事故の増加や患者・職員の負担が大きいことなどを挙げ、服薬回数を減らし、職員の多い昼の時間帯に行うことでこれらの改善が期待できるとしています。
 実施する際は「高齢者施設の服薬簡素化フローチャート」に従い、多職種で検討を行います。また、すべての処方で服薬回数を減らせるわけではなく、服薬回数や服薬時間の変更ができない場合もあるため、必ず医師・歯科医師や薬剤師の指示のもとで実施することとしています。

1.日本老年薬学会ホームページ:「高齢者施設の服薬簡素化提言」公開のお知らせ.
https://www.jsgp.or.jp/news/20240517-2/(2024.6.20アクセス)
2.日本老年薬学会:高齢者施設の服薬簡素化提言.
https://www.jsgp.or.jp/wp/wp-content/uploads/2024/05/jsgp-fukuyakukannsoka.pdf(2024.6.20アクセス)