デッキブラシで口腔ケア!?想像が膨らむ竜の看護
白石 竜は基本的に言葉でのコミュニケーションが取れないから、みんなで推測して、想像して、考えて決めていく過程が描かれているのもいいですよね。意思疎通が難しい患者さんへの対応に通じるものがあると思いました。
大森ちゃん 3巻に「竜の看護専門職を作ることに賛成したくなる」というセリフがありましたよね。お2人だったらどんな看護がしたいですか?私は口腔ケアとか楽しそうだと思いました。
かげさん 爪切りかな!のこぎりでギコギコやるのかも。清潔ケアも1日がかりになりそうです。竜の種類によって個別性が高そうですね。
白石 口腔ケア、いいですね。デッキブラシ使うのかな。あ、ケ〇ヒャーの高圧洗浄機だったら爽快感ありそう。命がけだけど(笑)。
大森ちゃん (笑)1人で対応は無理だから、チームナーシングかPNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)が必要になりそうですね。
白石 現時点で一番看護師っぽい役割をしているのは、主人公のルカかも。患者である竜のことを中心に考えようとしていて、でもまだ突っ走ってしまうところもある。そういった想像を膨らませられるのも、ファンタジー要素があるからこその魅力かもしれませんね。
理想と現実の狭間で、共感を呼ぶキャラクターたち
白石 キャラクターも魅力的ですよね。私は優等生のイェシカを見守りたいです。最初は真面目でクールな合理主義者に見えたのに、2巻での「命の選択に悩みも後悔もつきものだ 大切なことはそれを引きずってでも前に進むこと」というセリフが胸アツでした。最終的に合理主義なところに行き着くんですけど、キャラが立っているセリフだなと思いました。
かげさん 私は主人公のルカに注目しています。准竜医師という立場で、自分の知識の足りなさに葛藤したり、上の人の指示がないと動けない状況に悩んだり…。新人看護師や看護学生のころの自分を重ねて見ていました。
大森ちゃん ルカたち准竜医師の成長過程も興味深いですよね。時には規則を破ってでも竜のために動こうとする姿に、若さゆえのエネルギッシュさを感じます。
かげさん そうそう。列車事故のトリアージシーンで、決められた役割を放棄しちゃうところは実際の医療現場だと大混乱を招きかねないんですけど、その行動に至る気持ちはわかるんですよね。「目の前の患者さんを助けたい」っていう衝動は理解できるなって。
白石 感情をうまく出したり、抑えたりする場面があるように思います。中堅、ベテランになると、うまく切り替えられるようになっていくのかな…。それまではけっこう感情に振り回されてしまいますよね。
若き竜医の成長物語、今後の展開への期待
白石 既刊はまだ4巻ですけど、今後の展開も楽しみ。アニメ化するなら京〇アニメーションかなぁと勝手に妄想しています(笑)。
大森ちゃん 私も今後が楽しみです。医療ファンタジー漫画として、医療者だけでなく一般の方にも読んでもらえる作品だと思うんです。医療漫画は仕事を思い出して嫌だという人にも、ファンタジー要素があるので読みやすいんじゃないでしょうか。
かげさん そうですね。普段、医療には興味がないって人でも、ファンタジーという入り口から医療の世界に触れられるのがいいと思います。ネタバレになっちゃうのであまり語れないですけど、ルカの家族との問題もいろいろあるようなので、それが今後明らかになっていくのか気になるところですね。
大森ちゃん 次は看護師キャラクターが出てくるかもしれないし、竜の看護の具体的なシーンが描かれるかもしれません。それを読んで、また盛り上がれたら楽しいですね!
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