気管挿管患者のオーラル(口腔)ケアの進め方
オーラルケアは、歯ブラシでブラッシングする「ブラッシングケア」とブラッシングを除く「維持ケア」を分けて、患者の口腔状態によって組み合わせて実施することが望ましいです。
ブラッシングケアは歯垢の除去と洗浄または清拭による汚染物の回収を目的としており、1日1~2回行うことが望ましいです。
口腔の汚染が強い場合は4時間毎、良好な口腔環境であれば6時間毎に行います。
実施の手順
①患者への説明
●患者にオーラルケアを行うことを説明し、同意を得る
②必要物品の準備
①チューブ固定用テープ ②カフ圧計 ③保湿剤 ④排唾管 ⑤歯ブラシ ⑥スポンジブラシ ⑦舌ブラシ ⑧シリンジ(洗浄用) ⑨カップ ⑩タオル ⑪ビニールエプロン ⑫マスク ⑬未滅菌ガーゼ ⑭手袋

③口腔の観察
口腔の観察は、ROAG(Revised Oral Assessment Guide)などの口腔評価スケールの使用が推奨されています。口腔の評価スケールの使用は、初回は必ず行い、その後は状況に応じて適宜行います。また、口腔の観察で、口唇や口腔乾燥を認めた場合は、あらかじめ保湿剤を塗布します。
このとき、動揺歯の有無、気管チューブの固定長も確認してください。
④体位を整える
●頸部を前屈し、側臥位で顔を横に向けた誤嚥予防の体位とする
●麻痺がある場合は健側を下にし、姿勢が傾かないよう麻痺側にクッションなどを置く
●ベッド挙上角度は30°以下で行う。30°より挙上すると、気管と食道の位置関係が誤嚥しやすい状態となる
※体位調整前に、カフ上部、口腔の区誘因を行います。必要時は気管吸引も行います。
⑤カフ圧を30㎝H2O程度へ調節する
※カフ圧を上昇させても、垂れ込みを防ぐことはできません。
⑥汚染物の除去
●洗口液を浸漬したスポンジブラシなどで、口腔の汚染物や分泌物を除去する
●舌や口蓋、頬の口腔粘膜は奥から手前に向かって清拭する
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