新人ナースをどのように指導すればよいのか、悩んでいる先輩ナースも多いのでは。そこで今回は、Z世代ナースの皆さんに、「わかりやすかった!」と感じた指導、「嫌だった」と感じた指導を聞いてみました。
3月19日(水)発売の『エキスパートナース』2025年4月号では、特集「Z世代ナースの高コスパ勉強法」をお届けします。ぜひ併せてご覧ください。
Z世代ナースはこんな指導がわかりやすかった!
「理由」まで伝えて、後輩の考えをフィードバック
●ただ「だめ」「できてない」と否定するのではなく、「なぜ」そう指導するのかという理由までしっかり言ってもらえると助かります。自分で考えることも大切だと思いますが、結果を教えてもらえないと「正解だったのかな?」とモヤモヤ。指導してもらったら自分で考えるので、そのフィードバックまでしていただけるとうれしいです。
選択肢を出しながらの質問や、ビジュアル的な指導
●漠然と質問するのではなく、正しいアセスメントに誘導できるように選択肢を与えながら尋ねてもらえると理解しやすかったです。実際に機材を見ながらなど、ビジュアル的な指導もわかりやすいです。
検査の目的や薬の作用までレクチャー
●まずは自分でやってみて、先輩と一緒に振り返り、「指導書にはこう書いてあってこういう目的だよ」と丁寧に指導してもらえたのもありがたかったです。検査のやり方だけではなく、目的や薬の作用なども教えてもらえたらと思います。
まずはやってみて、その後で反省会
●とりあえず、教えてもらいつつ自分でやってみて、その後に反省会。これが1番効率がよいし、先輩はさすがだなと思いました。
Z世代ナースはこんな指導が嫌だった……
なんで? 忘れたの? という質問攻めがつらい
●「なんでそうしたの?」「自分でやろうと思わなかった?」「それ前に言わなかったっけ?」「どうして勉強しようと思わなかったの?」「忘れたの?」などと質問攻めにされるのがつらいです。ベテランが多いので、新人時代にこんなふうに聞かれたらしんどいってことを忘れてしまっているのかも。
半笑いで指導をする先輩が苦手に
●「そんなこともできないの?」といった雰囲気の、半笑いでの指導。その先輩のことが本当に苦手になってしまいました。シフトが重なっていると、「今日もいる……」と憂鬱な気分になってつらいです。
「見て学べ」の風習で聞きたいことが聞けない
●私の病棟は昔ながらの「見て学べ」の風習が強く、業務で疑問に感じたことを聞いても「マニュアルは読んだの? 自分で判断して」「そんなこともわからないの?」「他の人の行動を見て学びなさい」などと突っぱねられます。聞きたいことが聞けません。
Z世代ナースから、先輩へお願い
先輩ナースに伝えたいけれど、直接は言いづらい……。そんな“お願い”をZ世代ナースに聞いてみました。Z世代ナースがふだん感じていることとは?
●忙しそうな先輩に「手伝います」と声をかけると、「いいよ」と断られるけれど、もう一度聞くと「じゃあ」とお願いされます。最初から頼ってもらえたらと思います。
●「私たちの時代は」という枕詞をよく使う先輩がいます。「私たちが1年目のときはこうだったのに」といった話が多いです。たしかに勉強をあまりしない新人もいるので世代間の違いを感じるのはわかるのですが、今はこういう人もいて、こういう考え方もあるのだとわかってほしいです。
●1年目はまだまだひよこに毛が生えたようなもの。自分で予習、復習し、仕事を行うことは大切ですが、日々の業務に精一杯で、そこまで手が回らないことがほとんどです。そのため、1年目のうちは手取り足取り教えていただけるとうれしいです。
●指導の際の言い方、声のトーン、聞き方、表情などで、同じことを言っても印象が変わります。イライラをぶつけず、やさしく話してもらえたらこちらも教わりやすいです。
●「根拠」という言葉自体がパワハラのように感じる。とにかくやさしく指導してほしいです。最初からわからない状態なので、「技を盗め」ではなく説明がほしい。「今の説明でわからないことあったらいつでも聞いて」と、質問できる環境を用意してくれる先輩はやさしいなと思います。

Z世代ナースは「指導の目的までしっかり教えてもらえるとわかりやすい」と考える傾向に。また、「見て学んでほしい」との思いは伝わりにくいようです。
すべての後輩ナースに喜ばれる指導をするのは難しいですが、指導法に悩んでいる先輩ナースの皆さんはぜひ参考にしてみてください!
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