川嶋みどり 看護の羅針盤 第93回

　20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。　

　この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

　看護独自の生活行動面の援助行為は、患者に苦痛や不安を与えるものであってはならず、その過程は安心で心地よいものでなければならない。この心地よさこそ安楽な、副交感神経優位な状態であり、免疫力を高める結果ともなる。

　生活行動援助の技術化を図ることは、人間らしく生きていくための基本的な営みを支援することに加えて、その個人に内在する自然治癒力を高める意味にも通じるのである。

（出典：『チーム医療と看護 専門性と主体性への問い』15ページ、看護の科学社）

そのほか「川嶋みどり 看護の羅針盤」の記事はこちら