川嶋みどり 看護の羅針盤 第146回

　20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。　

　この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

　「忙しい、忙しい」と言っているときに、一番迷惑というか、大変なのは、ケアの対象である患者なんですね。だからきちんと看護の原点に返って、いま病院で行われている看護の実態がどんなものであるかということを見直してみよう。（中略）

　長年にわたり、看護教育の近代化を目指してカリキュラムの改革が行われてきた上に、看護教員の努力もあって昔に比べたら効率的で科学的な教育がされていると思うんですね。だけど、その反面、本当は切り捨ててはいけないことまで切り捨てられてしまっている。

（出典：『看護技術の現在 看護の時代2』203ページ、勁草書房）

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