病因を究明するために大切な水分出納。体内の水分量の変化を知るためには、体重測定が重要となります。輸液を行っている場合などの体重測定の注意点も確認しましょう。

「in-out(水分出納)をみるのはこんなとき!」の連載まとめはこちら

術後・疾患では必ず体重測定を行う

 私たちの体は毎日の飲水や食事、呼吸や皮膚からの不感蒸泄、排尿、排便により水分量が調整されています。
 そのすべての量を算出し、体内の水分量を計算していくことは困難ですが、短期間(数日)の水分の過多や欠乏量の推定は体重変化が最も信頼できると言われています。体内の水分量の管理を厳重に行わなければいけない術後や疾患などの場合、体の全体水分量の変化をみていくうえで体重測定は重要な指標です。

水分と固形成分(標準の割合)
〈カッコ内は体重60kgの場合〉

水分=体重の60%
〈60kg×0.6=36kg(36L)〉
タンパク質=体重の18%
〈60kg×0.18=10.8kg〉
脂肪=体重の15%
〈60kg×0.15=9kg〉
※残り7%は無機質(骨、歯、爪などに含まれるCa化合物など)

*高齢者は脂肪分や筋肉量が少なくなる。全体水分量の比率は“55%”で計算

輸液を行っている場合の注意点

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