川嶋みどり 看護の羅針盤 第194回

　20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。　

　この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

　迫りくる死に対して根本的に打つ手のない場合でも、また、一時的な苦痛緩和であっても、よいと思われることは積極的に行うことが大切である。末期患者特有の全身や下肢の倦怠感に対しては、腰を持ち上げたり、さすったり、膝下に枕を入れるなどする。

　そして、それらの行為も同じことを長く続けていたのでは効果がない。安楽を図る技術の原則は、段階的に変化をつけるということである。その意味で看護師は慎重な体位変換の技術と、その体位を支える種々の方法をマスターしなければならない。

（出典：『CHECK it UP ② 日常ケアを見直そう　あなたの職場の看護チェック』165～166ページ、医学書院）

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