看護現場において、患者ケアの質や医療チームの信頼性、看護師自身のキャリアに影響を及ぼしかねない「アンプロフェッショナル」な行動。アンプロ行動の背景にある要因を整理し、対策とプロフェッショナリズム維持のために必要なことを紹介します。
- ●「アンプロ行動」と決めつける前に考えるべきこと
●アンプロ行動の背景を検討、改善策を考える
●「プロフェッショナリズムへの挑戦」とは?
●「プロフェッショナリズムからの逸脱」とは?
●プロフェショナリズムからの逸脱となる要因
●プロフェッショナリズムの維持に必要なこと
●アンプロ行動を防ぐためには?
●アンプロ行動への対応のための課題
●アンプロ行動に対する5つのポイント
\アンプロフェッショナルな行動とは?/
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「アンプロ行動」と決めつける前に考えるべきこと
医療現場では、時に看護師や医療従事者の行動が「アンプロフェッショナル」と評価されることがあります。しかし、その行動は単なる個人の欠点や怠慢に起因していると短絡的に結論づけるのではなく、背景にある多様な要因を考慮することが重要です。安易にアンプロ行動と決めつける前に考えるべきことがあります。
アンプロ行動の背景を検討、改善策を考える
「アンプロフェッショナル」というレッテルを貼ることは、問題の根本的な解決を妨げる可能性があります。ほとんどの場合、医療従事者は善意で行動しており、スキルやリソースの不足、または状況の複雑さが原因で課題に対処できないのです。
そのため、行動を批判する前に、当該行動が生じた背景を丁寧に検討し、改善策を講じる必要があります。
「プロフェッショナリズムへの挑戦」とは?
医療現場では、医療従事者がプロフェッショナリズムを実践するうえで直面する困難や障壁を「プロフェッショナリズムへの挑戦(Professionalism Challenges)」と呼びます。この概念は、個々の医療従事者がプロフェッショナリズムの価値観に従い行動し続けることが難しい状況を指し、表1のような要因が含まれます。
表1 Professionalism Challenges
●感情的な負荷
患者の死亡や外傷、小児疾患、奏功しなかった救命処置など、感情を大きく揺さぶる臨床的状況●環境的な課題
過重な業務量、組織の非効率的な手順、人員不足や指導体制の不備といった職場環境の問題●個人的な要因
疲労、心理的ストレス、家族や人間関係の問題、あるいは身体的・精神的な疾患
「プロフェッショナリズムからの逸脱」とは?
「プロフェッショナリズムの逸脱(Professionalism Lapse)」とは、通常は能力がありプロフェッショナリズムを理解している医療従事者が、判断ミスや態度の誤り、スキルの不足などによりプロフェッショナリズムに反する行動をとってしまう現象を指します。この逸脱は、必ずしも悪意や怠慢によるものではなく、むしろ状況的・環境的要因に左右されることが多い点が重要です。
例えば、燃え尽き症候群を抱える看護師が、患者さんとのコミュニケーションを最低限にとどめる行動をとる場合があります。このような行動は一見「アンプロフェッショナル」と見えますが、その背景には過重な業務量や職場環境のサポート不足といった「Professionalism Challenges」が隠れていることが多いのです。
プロフェショナリズムからの逸脱となる要因
プロフェッショナリズムからの逸脱行動には次の4つの主要な要因が影響を与えることが示されています(図1)。
個人的要因
●基本的なニーズの欠如:疲労、空腹、安全性への懸念、孤独、悲しみや心配など、医療従事者としての基盤が揺らぐ状況が行動に影響します。
●能力や注意力の問題:家族の問題、重要な試験などが注意力を散漫にさせ、最善の判断を妨げることがあります。
●心理的・身体的疾患:燃え尽き症候群や情動障害、うつ病、身体疾患は行動の質に直接的な影響を与えます。
対人的要因
●コミュニケーション不足:会話が責任追及型になったり、情報共有が遅延したりすることで、相互信頼が損なわれることがあります。
●パワーバランスの不均衡:上司と部下、医師と看護師といった職位差が、適切な意見交換を妨げます。
●対人関係のトラブル:以前から続く人間関係の問題や、メンタルモデルの不一致が行動を制限する可能性があります。
状況的要因
●臨床的なストレス要因:死亡や外傷、小児の病気、外科的偶発事故など、感情を揺さぶるできごとに直面することで、冷静な判断が難しくなります。
●環境的要因:過度の仕事量や指導環境の欠如など、日常業務そのものが過剰な負担となる場合があります。
組織的要因
●リソース不足:人員不足、教育体制の不備、効率的でない作業手順など、組織の構造的課題が医療者の行動に影響を与えます。
●矛盾する方針や手順:現場でのガイドラインの不明確さや矛盾が、医療従事者の混乱を招くことがあります。
図1 プロフェッショナリズムからの逸脱となる要因

プロフェッショナリズムの維持に必要なこと
このように、プロフェッショナリズムの形成と逸脱には、個人的、環境的、組織的な要因が複雑に絡み合っています。これらを理解し、ポジティブなロールモデルを提供し、ストレスを軽減する環境を整備することが、プロフェッショナリズムを維持するための鍵です。
また、医療従事者自身が自己効力感を高め、自分の意志に基づいて行動する力を育む支援も重要です。医療現場全体がプロフェッショナリズムを支える文化を醸成し、逸脱を防ぐための取り組みを進めることが求められます。
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