相手の話を聞くこと、体と心のケアの大切さ
白石 作品のなかで、これは生活や仕事に活きているなと感じるのはどんなところでしょうか。
かげさん 夜野さんは患者さんに素直に問いかけることが多いですよね。患者さんに「聞いてみる」ってすごく大事だと思います。私は患者さんから話しかけられたことを、「きっとこうなんだろうな」と受け止めて、勝手に自分のなかで解釈して対応していたところもあったなと。そういうときに「どう思ったんですか」と、患者さんが考える場をつくることを意識していきたいですね。
大森ちゃん 私も相手の話を聞くことの大切さをひしひしと感じますね。個人的には一昨年から大学に編入して、心理学で犯罪心理学や性犯罪被害、加害者・被害者のことも含めて勉強しているので、作中でストーリーとして展開されていて学びが深まりました。
あと以前、体調を崩していたときにちょうど読んでいたのが4巻の25話。「心のためには身体を大切にね」と広瀬先生が話すシーンを読んで、「もうこれはあかんな、ちょっと休もうか」と決めて半月ほど休職したんです。
今までなら無理やり続けていたところ、しっかり体調が戻るまで休んでから復帰できました。『こころのナース夜野さん』のおかげかだなと思っています。
白石 私も数年前は、いっぱいいっぱいな気持ちで仕事をしていたような気がするんですよね。こうしたら緊張の糸を緩められるのかもとか、こうした余白をつくっておくと患者さんと関わるときにいい距離を保てるのかもとか、そうしたヒントをこの作品から得たように思います。
あとは、精神科の面白さを知り、精神科の看護師さんの働き方についての本や、精神科・心理学の本を読むように。患者さんとの関わりも落ち着いて考えられたり、自分自身のケアがうまくできたりすることも増えましたね。
かげさん
患者さんに問いかけ、考える場をつくることを意識していきたいです
大森ちゃん
広瀬先生の言葉で休職を決意
白石
緊張の糸の緩め方、余白のつくり方のヒントももらえました