看護師の仕事に疲れてきた人、患者さんとのコミュニケーションが苦手だと感じる人に

白石 精神科の看護師さんや訪問看護師さんはもちろん、看護師の仕事がしんどくなってきた人、ずっと突っ走ってきた人にこの作品をおすすめしたいですね。一度気持ちを落ち着かせる意味合いで、自分の凝り固まった思考をほぐす、いいきっかけになるんじゃないかなと思います。私自身がまさしくそうだったので。

大森ちゃん そうですね。私も看護師の仕事に疲れてきた人、患者さんとのコミュニケーションが苦手だなと思っている人に読んでほしいです。

白石 つらいときにつらい話を読むとしんどくなりそうですけど、この作品はそんなことないですよね。ちょっと不思議な感覚です。

かげさん 絵柄がほんわかしているのもあるんでしょうか。内容としてはけっこう重たい話もありますけど。

大森ちゃん つらいことがあっても、ちゃんと前に進んでいることが、ストーリー上で感じられるからかもしれないですね。患者さんが自殺してしまった話も、残された人たちがその患者さんのアルバムを作ろうとしたりと、未来に向かって進んでいく感じがあって。絵柄も含め、読んでいて救われている感覚がありました。

かげさん 私も印象に残っています。2巻の9話ですよね。他の患者さんや看護師たちがそれぞれに落ち込んで後悔しているなか、アルバムを作りながら思い出話をして、グリーフケアのような形になっているのかなと思いました。

医療漫画を語り合う回【第3回】『ブラック・ジャック』

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