水封室の水位が通常より上昇・下降したときの原因とは?変動の範囲や対処法についても紹介しています。胸腔ドレーンの基礎と注意点をまとめています。

Q. 水封室の水位が、いつもより上がった・下がったときは何を疑う?

上昇では無気肺、低下ではエアリークや出血などが疑われます。

水封の液面の通常の変動範囲は?

 通常、胸腔内の圧は呼吸により変動し、水封部分の液面はそれに伴い上下します(呼吸性変動)。つまり、水封の液面が何cm上がったかが、そのまま胸腔内の陰圧の程度となります。通常は-3~-10cmの範囲で変動します。
 しかし、液面の変化の目安を超えて変動する場合や、変動の範囲がそれまでと変わった場合は、以下のような可能性が考えられます。

水封の液面が上昇する原因

 水封の液面が今までよりも上昇した場合には、胸腔内の容量が低下したことが考えられます。病態としては、無気肺などを発症したことが疑われるため、胸部X線写真の把握や呼吸音の聴取(患側で減弱)などを行い、無気肺の有無を判断します。
 無気肺であれば、体位ドレナージ去痰に努め、改善されるようにケアしていきます。

水封の液面が低下する原因

 今までの水封の液面よりも低下した場合には、胸腔内の容量が増加したことが考えられ、病態としてはエアリークエアリークについて詳しくはこちらを参照)や出血の発生が疑われます。
 この場合は、呼吸状態の変化だけでなく循環動態の変化に注意し、変化が急激であればすぐに医師に報告の必要があります。
 そして、血液検査や胸部X線写真、追加処置があれば指示に従い、対処していきます。

圧力を表す単位を確認

 胸腔内の圧力を表す主な単位には、下記があります。単位を間違えると危険ですので、必ず確認しましょう。

よく使われる圧力を表す単位

●水柱
cmH2O
*1気圧=約1,000cmH2O

●水銀柱
mmHg
*1気圧=760mmHg

圧力を表す単位についてのイラスト

(第9回)

次の記事:呼吸性変動が起こる3つの要因とは?

1.鈴木一也,他:肺・胸腔・縦隔の解剖生理と肺切除術. 露木菜緒 編, インシデント事例から学ぶ 重症患者のドレーン管理, 急性・重症患者ケア 2013;2(4):813.
2.露木菜緒編:インシデント事例から学ぶ 重症患者のドレーン管理. 急性・重症患者ケア 2013;2(4).
3.二ツ森智子:胸腔ドレナージの管理. 救急看護&トリアージ 2013;4・5月号.

この記事は『エキスパートナース』2018年12月号特集を再構成したものです。
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