せん妄はよくわからないと思ってしまいがちですが、メカニズムを知れば効果的な対応・ケアが見えてきます!ここではせん妄を理解するためのポイントを3回に分けて紹介します。

【第1回】せん妄を理解するためのポイント①せん妄を「急性脳不全」と捉える
【第2回】せん妄を理解するためのポイント②せん妄の診断基準や観察ポイントは曖昧。多職種・家族で評価
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看護師の違和感が、せん妄の早期発見・見落とし回避に重要

 見落としが多いといっても、医療者のなかで入院中患者と最も長く接して、言動の変化などに気づきやすいのは看護師です。つまり、精神症状の評価に不慣れでも、スクリーニングツールを用いたり、アセスメントのコツをおさえれば、せん妄を発見するのに最も適切なのは看護師となるのです(【第2回】図1参照)。

 転倒やせん妄の予測因子として「看護師の勘」を挙げる看護研究がありますが、おそらくせん妄発症による軽微な意識や注意力の変化を看護師が違和感として捉えているためと推測されます。

 せん妄は長時間経過をみるほうがよく、看護師が勤務交代時にこれらの「勘≒違和感」を言葉として伝達できるようになれば、変化をより早く察知し、せん妄の早期発見・見落としの回避につながります。

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