医療事故につながる可能性のある危険な薬に注意!今回はインスリン製剤を高カロリー輸液のエルネオパ®に混注する場合のリスクについて解説します。事故を防ぐためのポイントをおさえましょう。

 看護師だからこそ、「ハイリスク薬」について知っておく必要があります。その理由は、看護師が最終確認者であり、最終実施者になることが多いからです。職場・環境の変化時、それまでの方法がミスにつながることもあります。今回はインスリン製剤を高カロリー輸液のエルネオパ®に混注する場合の事例を取り上げ、日常業務のなかに潜む事故の原因について考えます。

インスリン製剤を高カロリー輸液のエルネオパ®に混注する場合…

インスリン製剤を高カロリー輸液のエルネオパ®に混注する場合のイラスト

職場・環境の変化時、それまでの方法がミスにつながることがある

 人の行動は経験70%、人間関係20%、知識10%ともいわれています。また、いま勤務している病院(病棟)の常識は、他病院(他病棟)の常識ではないかもしれません!

 冒頭の事例の場合、看護師にはエルネオパ®開通の習慣がないため、開通しないまま正規の混注口からインスリンを混注してしまう可能性があります。その場合、インスリンが滴下されず、患者さんは高血糖になるかもしれません(図1-①)。

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