看護師の日常業務のなかに潜む医療事故の原因を紹介します。インスリン製剤を高カロリー輸液に混注する場合、ハイリスク薬使用時の指示伝達ミス、手術予定の急な変更の、3つの例を取り上げます。
インスリン製剤を高カロリー輸液に混注する危険性とは?
看護師だからこそ、「ハイリスク薬」について知っておく必要があります。その理由は、看護師が最終確認者であり、最終実施者になることが多いからです。職場・環境の変化時、それまでの方法がミスにつながることもあります。
まずは、インスリン製剤を高カロリー輸液のエルネオパ®に混注する場合の事例についてです。
インスリン製剤を高カロリー輸液のエルネオパ®に混注する場合

職場・環境の変化時、それまでの方法がミスにつながることがある
人の行動は経験70%、人間関係20%、知識10%ともいわれています。また、いま勤務している病院(病棟)の常識は、他病院(他病棟)の常識ではないかもしれません!
冒頭の事例の場合、看護師にはエルネオパ®開通の習慣がないため、開通しないまま正規の混注口からインスリンを混注してしまう可能性があります。その場合、インスリンが滴下されず、患者さんは高血糖になるかもしれません(図1-①)。
また、慣れない環境で、ほかの点滴準備の習慣がとっさに出て、未開通のまま滴下口からインスリンを混注してしまう可能性もあります。その結果、インスリン濃度が高くなり、低血糖になるかもしれません(図1-②)。
図1 エルネオパ®を開通せずにインスリン製剤を混注した場合に生じうる事故

ヒューマンエラーを起こさないためには?
人は経験や教育から違うスキーマ(個人のなかにある、一貫した知覚・認知)をもっています。しかしこの身についた経験が、ヒューマンエラーを引き起こすことがあります。
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