三交代でのスケジュール例①:日―休―深―深

このシフトの“2日目”、どう過ごす?

 日─休─深─深シフトは看護師にとって「休んだ気がしない」と大変評判の悪いシフトの組み合わせです。それは2日目の休日の夕方が3日目の夜勤に備えるための時間に使わざるを得ないからです。

 そこで気分を変えて、「2日目の休日は、3日目の夜勤の準備に使う日」とはじめから思ってしまえば、気分は収まるものです。実際、すべての疲労の基本である「体」は休めていますので安心してください。

 さて、このシフトでは、2通りの“2日目の過ごし方”を紹介しましょう。

パターン①1日目の夜に遊ぶなら、2日目は「昼から夕方」に寝る!

 1つ目の方法は、「休日なのに体を休めるだけではもったいない」と考える看護師の過ごし方として使えるでしょう。特に若い看護師は、寝る時間も惜しんで遊びたい年頃です。ですから体に悪いと思いながら、1日目から2日目の朝までオールで遊んだときと考えてください。

 その場合、1日目の夜に眠らないことで、サーカディアンリズムは夜勤に適した夜型に変わりつつあります。そこで、2日目の休日を夜型で過ごすのです。

 具体的には、2日目は、昼の12~14時頃から夕方にかけて眠ってください。そのとき、昼間の太陽光と騒音が睡眠を邪魔しますので、睡眠時には、アイマスクとイヤプラグを付けてください。もちろんスマホの電源をお休みモードにしておくことも忘れないことです。起きたら夜勤が待っています。

パターン②:しっかり休むなら、“2日目は早起き”がベスト!

 2つ目の方法は、オールで遊ぶことに魅力を感じない看護師向けです。サーカディアンリズムを日勤型に保ちながら、夜勤をやり過ごす方法です。この方法は、夜勤を長く続けていくための王道の方法です。

 具体的には、1日目の夜は、いつもと同じように就寝し、2日目にはいつもより早く起きます。そこがポイントです。

 その後、2日目の19時付近から2時間くらいの仮眠をとります。一般的に19時付近は睡眠禁止帯1と呼ばれ、寝付きにくい時刻帯なのですが、前日の睡眠を短縮することによって、19時付近の入眠を促すことができます。

3~4日目でリズムを日勤型に戻そう

 これら2つの方法に共通するのが、3~4日目にかけて徐々に日勤型にリズムを戻す過ごし方です。3日目の睡眠は、帰宅後すぐにとりましょう。そしてお昼ごはんを食べた後に眠りましょう。4日目の夜勤時は、少しでもよいのでかならず仮眠をとる。そして4日目の夜勤明けの昼間睡眠はとらないでやりすごすこと。

 さらにサーカディアンリズムの適応範囲は2時間までなので2、4日目の就寝時刻は早めることが望ましいですが、2時間以内に留めることが重要です(図1)。

図1 ゆっくり休みをとる場合の過ごし方の例
睡眠禁止帯って?

 睡眠禁止帯は、「1回7分間の睡眠」と「13分の覚醒」の組み合わせを、朝の7時から翌日の7時までに、睡眠脳波を測定しながら繰り返す実験を行うことで明らかになりました。被験者に「眠らないよう努力してください」と教示した場合も、「眠るよう努力してください」と教示した場も、19時付近は、睡眠時間が短くなる時刻帯だったのです。

1.Lavie P:Ultrashort sleep-waking schedule. III.‘Gates’ and ‘forbidden zones’ for sleep.Electroencephalogr Clin Neurophysiol 1986;63(5):414-425.
2.Taylor A,Wright HR,Lack L:Sleeping- i n on the weekend delays circadian phase and increases sleepiness the following week.Sleep and biological rhythms 2008;6(3):172-179.

疲れと休みのエビデンス【第8回】夜勤ありナースの休み方スケジュール例②

この記事は『エキスパートナース』2019年4月号特集を再構成したものです。
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