のぞいてみたい、ヘアメイクの世界

 菊池美香さんが仕事を通して感じたこと、メイクをする上で大切にしていることなどを、今回のテーマに合わせて紹介します。ヘアメイクの世界をのぞいてみて。

アイドルと女優と汗

 モデル、女優、アイドルー。表舞台に立つ代表的な職業です。

 華やかな世界にいるように見えますが、実際はそんなことはなく自身の健康管理、肌のトラブル、仕事のプレッシャーとの戦い…。看護師の皆さんと、悩みは同じように感じます。

 特に多いのが、汗に関する悩み。以前担当したアイドルは汗っかきで、ライブ中にイヤモニを数回水没させたという経験がある人でした。

 彼女のとった方法は毛穴を埋めるファンデーションをライブ中に厚塗りすることで、汗腺をふさぐという方法。塗ると汗をかく量が格段に減ったと教えてくれました。

 しかし、肌への負担が大きいぶん、その方法を続けて今度は肌荒れが悩みになっていました。

 まだ年齢も若く、肌のターンオーバーも活発なため、毛穴に老廃物も溜まりやすいのに、新陳代謝をさまたげ、クレンジングでも肌への負担を増やす。ストレスにもつながり自律神経が乱れ、より汗っかきになる原因をつくっていたのかもしれません。

 自分を最大限によく見せたい場面があるほど、オフの時間が大切になります。表舞台に立つ人の多くが日常をすっぴんで過ごすのは、肌を休めるためのバランスをとっているからです。

 美容モデルの条件で欠かせないことは美しさ以上に肌の丈夫さ=身体の丈夫さであるように、健康であることこそが美しさの秘訣です。

 アイドルやモデルは、ライブや1枚の写真に最高の自分をもっていくことが大切。その際にはアドレナリンも多く出るので交感神経が大きく作用し、汗をかく人も多いです。

 女優は、メイクもナチュラル、ときには素肌で撮影に挑みます。演技においていかに自然体を見せるか、肩の力を抜けるかが大切で、リラックス=副交感神経が優位になります。

 そう考えると、女優は顔に汗をかかないというのも納得できる気がします。

 大変なときほど、深呼吸をして女優になりきる、笑顔で過ごすことはとても難しいことです。自分の機嫌を自分でとれる人は汗すらコントロールしてしまうのか、と衝撃を受けた経験もありました。

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