ストーマについての知識は、どの病棟でも出会うストーマ患者さんのケアに活きてきます。

 「これだけは知っておきたい!」という“基礎のギモン”から、現場から寄せられた“実践的なギモン”まで、しっかりお答えします。

【第1回】ストーマサイトマーキングを行う意味は?

 ストーマを造設する際に必ず行うのがストーマサイトマーキング。どのようにストーマの場所を決めるのかがわかると、「患者さんの生活」が見えてきます。

術後の合併症の予防、ストーマ装具装着の安定性を高めることができる

 ストーマサイトマーキングは、術前に「ストーマをつくるべき位置を体表上に選定して同部に印をつける」ことをいいます。

 ストーマサイトマーキングの意義は、術後のストーマの合併症を予防すること、ストーマ装具が安定的に装着できる部位を選ぶことです。

 ストーマが適した位置に造設されることで、装具の定期的な交換が可能となり、排泄物の漏れやそれに伴う皮膚障害を予防することができます。

 また、セルフケアの確立をスムーズにさせ、日常生活への復帰を早めることが期待できます。 患者さん個々の体型や腹壁の状況、身体機能や社会背景、日常生活上の活動性等に配慮されたストーマが造設されることは、社会生活を送るうえでの安全性の担保にもつながります。

マーキングによって患者さんの今後が変わることを意識する

 ストーマサイトマーキングは、患者さんがストーマを受容していく過程の1つとして、とても重要です。術前の医療従事者とのコミュニケーションの場にもなります。

 医療従事者は、患者さんのこれからの人生を左右する重要な処置であることを認識して実施していきましょう。

 上記から、術前にストーマサイトマーキングを行うことは重要であり、平成24(2012)年より、「人工肛門・人工膀胱造設術前処置加算」(K939-3、450点)が診療報酬に収載され、ストーマ造設にかかわる医療従事者や医療管理者にも広く認識されるようになりました。

1.ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編:ストーマリハビリテーション 基礎と実際 第3版.金原出版,東京,2016.
2.日野岡蘭子:ストーマ造設術の術前ケア ストーマサイトマーキング.月刊ナーシング 2012;32(1):22-31.
3.アルメディアWEB ストーマケア・ナーシングホームページ:ストーマサイトマーキングの基本.
https://www.almediaweb.jp/stomacare/medical/contents/care/002.html(2024.2.16アクセス)

ストーマ管理のギモン【第2回】待機手術のマーキングのポイントは?

この記事は『エキスパートナース』2022年7月号特集を再構成したものです。
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