看護師が日常ケアの延長でできるリハビリテーション“ちょっとリハ”とは?今回は、なかなか嚥下を開始しない場合、摂食嚥下障害のある場合など、患者さんの嚥下機能に合わせた食事介助のポイントを紹介します。

患者さんの嚥下スタイルをつかんで介助

 哺食時に口唇を閉じない患者さんに対しては、スプーンを少し上口唇に擦りつけたり、前舌面をスプーンの背で軽く押したりして、口唇閉鎖を促します図1)。

図1 口唇閉鎖の促し

口唇閉鎖の促す食事介助のイラスト
実施すると…

●食塊が口内にあると認識し、患者が自身のペースで食塊を飲み込めるようになる

 なかなか嚥下開始しない患者さんに対しては、再度、空のスプーンを口内に挿入したり、スプーンの背で舌の少し奥のほうを軽く押したりします(図2)。

図2 嚥下開始の促し

嚥下開始を促す食事介助

 摂食嚥下障害のある患者さんには、食塊が咽頭に残留している人もたくさんいます。嚥下したか否かは、喉頭隆起の挙上具合で判断します。一般的に、嚥下時に喉頭隆起はグーッと挙上(めやすは指1本分)したあと、少し前方へ移動します(図3)。

図3 嚥下時の咽頭隆起の動き

この記事は会員限定記事です。