ワケがあって医師がオーダーしている画像検査。臨床場面でナースがとりたい画像からの情報をわかりやすく示します。第52回は、腹痛の患者で腹部大動脈瘤破裂を疑って、画像を見るポイントについてです。
腹痛の患者での画像の着目ポイントは第47回を参照ください。
腹部大動脈瘤破裂を疑って、血腫付近を見ている
腹水所見と腹部大動脈瘤があれば腹部大動脈瘤(切迫)破裂を疑う
腹部大動脈瘤(切迫)破裂は腹痛や腰痛を主訴に、便意切迫感、血尿があります。トイレに行っても便が出ないという訴えから便秘症と誤診されたり、腰痛と血尿から尿管結石と誤診されることがあるのが腹部大動脈瘤破裂です。
高齢者の喫煙者で血圧高値があれば疑いますが、ショック状態だと血圧は低いことも考えられます。確定診断は造影CT検査になります(図1)が、腹部エコーで腹水所見と腹部大動脈瘤があれば早期に強く疑うことになります。
図1 腹部大動脈瘤破裂のCT画像
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