心不全の終末期、症状・病態はどのように変化するのでしょうか。呼吸困難、浮腫といった症状や、意思決定のタイミングなどについても紹介します。

ADL、QOLが低下するが、ステージは回復することも

 終末期に向かう慢性心不全患者では、呼吸困難、倦怠感、浮腫などの原疾患による身体症状に加え、不眠やうつなど精神的症状も徐々に増悪し、結果としてADL低下、QOL低下を招きます(図1)。

図1 心不全の終末期にみられる症状

心不全の終末期にみられる症状のイラスト
*治療により心不全のステージ(図1)が戻ることもある

 とはいえ、徐々に終末期に向かう段階でも、治療的薬剤(β遮断薬、ACE阻害薬、抗アルドステロン薬など予後を改善する薬剤)および緩和的薬剤(利尿薬、血管拡張薬、強心薬など症状を緩和する薬剤)による介入や、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)*1 をはじめとしたカテーテル介入、あるいは移植によりステージ(【第14回】・図1参照)が戻ることもあり、典型的な終末期の症状や検査データといえるものは明確ではありません

 米国心臓協会により示された心不全患者の終末期意思決定のタイミング(下記参照)を参考に、特に「適切な再評価の契機となるイベント」についてよく観察し、適切な時期から意思決定支援を開始する必要があります。

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