人工呼吸器を装着している患者さんに行いたい、日常ケアとは?今回は閉鎖式気管吸引と開放式気管吸引の違いや、閉鎖式気管吸引の具体的な進め方、メリットなどを紹介します。
Q. 閉鎖式気管吸引のほうが開放式気管吸引より安全なの?
Answer
閉鎖式気管吸引は、大気に開放されず、人工呼吸器による換気を行いながら吸引できるため、PEEPの維持、肺容量の維持、低酸素血症の予防などが可能となるため、開放式気管吸引より安全に気管吸引ができます。
開放式気管吸引と閉鎖式気管吸引の違いは?
開放式気管吸引は、人工気道の患者に対していったん人工呼吸器回路を外し、大気に開放したまま吸引する方法です。
一方、閉鎖式気管吸引は、人工呼吸器回路に吸引カテーテルを組み込むことで、大気に開放せず人工呼吸器による補助換気を行いながら吸引する方法です。
閉鎖式気管吸引の具体的な進め方
●閉鎖式気管吸引は、吸引コントロールバルブやカテーテルスリーブなどの操作があり、練習が必要です。
●操作を誤ると、洗浄液が気管に流れ込むなどのリスクもあり、十分に熟知しなければなりません。
1.準備
①気管吸引の必要性の判断
●気管分岐部の副雑音の聴取、グラフィックモニタなどで、気管吸引を行う必要性があるかどうかを判断する


②患者へ説明
●意識の有無にかかわらず、吸引の必要性、どのようなことをするのかを説明する
③必要物品の準備
●留置されている閉鎖式吸引キット、吸引器、洗浄用生理食塩水、手袋(未滅菌)、アルコール綿
④手洗い・手袋の着用
⑤SpO2が低い場合は、人工呼吸器で一時的に高濃度酸素をフラッシュする(【第6回】参照)
閉鎖式吸引回路の構造

2.実施の手順
①吸引圧を20kPa(150mmHg)へ合わせる

②コネクティングチューブを吸引コントロールバルブに接続し、バルブを180 °回転させる

③気管チューブとL字型コネクタの接続部を持つ(脱落防止のため)

④スリーブをたぐりあげながら、吸引カテーテルを挿入する
●挿入は、気管分岐部(気管チューブの目盛りと吸引カテーテルの目盛りが合ったところから、2~3cm進めたところ)(【第3回】参照)まで
● 吸引コントロールバルブを押さなければ吸引圧はかからない

⑤吸引圧をかけ、気管分岐部から 1~2cmまではゆっくり吸引カテーテルを引き戻す。それ以降は早めに引く
●吸引時間は10秒以内。できる限り短い時間で行う
●気管分岐部直上に痰が多く、また体位ドレナージはここに痰を集めるようにしているため、ここをゆっくり吸引し(分泌物のある場所では一時止めても可)、吸引カテーテルが気管チューブ内に入ったら、さっと引き抜く。すると、短い吸引時間で効率よく気管吸引ができる
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