日本看護協会、日本訪問看護財団、全国訪問看護事業協会の3団体による訪問看護推進連携会議は7月、2040年に向けて訪問看護がめざす姿や実践すべき取り組みなどをまとめた『2040年に向けた訪問看護のビジョン~地域での暮らしを支えるために~』を公開しました¹。
事業所の基盤強化、 訪問看護の機能拡大などが目標に
同会議は、2040年には85歳以上の人口が1,000万人を超える見込みであることなどを示し、人口構造の変化による訪問看護の利用者数増加を予測しています。そうした状況をふまえ、「全世代型の社会保障の構築」として、すべての地域・年代の人々が質の高い医療や介護、入院治療を受け、日常生活に戻ることができる体制構築の必要性を提言しています²。
公開された資料では訪問看護を取りまく現状と今後の展望について解説されているほか、ビジョンとしては大きく4つの項目が掲げられました(表)²。各項目について、訪問看護師・訪問看護事業所などが今後どのようなことを実践していけばよいかが示されています。
表 『2040年に向けた訪問看護のビジョン』(一部)
Ⅰ 訪問看護事業所の基盤強化
1 安定的な人材確保と規模拡大
2 継続的な運営の実現
3 関係機関との連携・協働 など
Ⅱ 訪問看護の機能拡大
1 訪問看護提供の場の拡大
2 地域のニーズに応じた事業所の包括的なケア提供(療養通所介護・看多機の設置推進)
3 医療・介護DX等を通じた訪問看護の業務効率化等
Ⅲ 訪問看護の質の向上
1 多様なニーズに対応できる訪問看護師の育成
2 在宅領域における専門性の高い看護師の育成と活用
3 生涯学習・研修体制の整備と活用 など
Ⅳ 地域共生社会に向かう、地域包括ケアシステムの深化・推進
1 国民への訪問看護の周知
2 多様なニーズに対応する看護体制の強化
(文献2を参考に作成)
- 1.日本看護協会ホームページ:2040年に向けた訪問看護のビジョン(訪問看護推進連携会議(日本看護協会、日本訪問看護財団、全国訪問看護事業協会))を掲載しました。.
https://www.nurse.or.jp/nursing/zaitaku/houmonkango/index.html#vision(2025.8.20アクセ
ス)
2.日本看護協会,日本訪問看護財団,全国訪問看護事業協会:2040年に向けた訪問看護のビジョン~地域での暮らしを支えるために~.
https://www.nurse.or.jp/nursing/assets/vision_of_visiting_nurses.pdf(2025.8.20アクセス)

