20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。
「大変だけど続けてきた」
ではなく
「大変だから続けてきた」
のである
私は今年満84歳で、看護師歴64年である。学生に「先生はどうして、 看護師を60年以上も続けてこられたの?」と聞かれると、「大変だから続けてきたのよ」と答える。「大変だけど続けてきた」ではなく、「大変だから続けてきた」のである。これではダメ、これではいけないと思いながらも、看護が大好きだから続けてきた。どんなに大変でつらいことでも、それを乗り越えたならば、患者の喜びがあり、乗り越えた喜びは他でもない私のものである。看護師で良かったという喜びを感じながら、私は今日まで仕事を続けてきた。
(出典:『いま、看護を問う』60ページ、看護の科学社)
●「川嶋みどり 看護の羅針盤」の記事はこちら
●そのほかの連載記事
当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。

