投資信託とNISAについて、看護師専門FPが初歩からやさしく解説。資産運用が初めてでも理解しやすいよう、図表を交えながら、投資信託とNISAの仕組み・メリットなどを紹介します。
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ゼロからはじめる資産運用:バランスファンドと世界株式の運用成果をシミュレーション
投資信託による分散投資とは?
「資産運用を考えるうえでどういったものに投資をしたらいいか?」と考えた場合、その商品としておススメなのは、投資信託です。
では、投資信託とはなんでしょうか? 野球のチームに例えるとわかりやすいです。プロ野球チームは、監督がドラフトで選手を見つけてきますよね。そして、チームにはオーナーがいます。
投資信託における監督は「ファンドマネージャー」。運用会社のお偉いさんです。看護部長のようなイメージですね。ファンドマネージャーが運用するための投資のルールに基づいて、株や債券などの金融商品を買います。例えば「国」。日本の株だけを買う、アメリカの株も買う、といったような方針もその1つです。こうした運用方針は、商品ごとにさまざまになります。
ファンドマネージャーがそうした運用方針に基づいて投資家から集めたお金で、さまざまな株や債券に投資してできた金融商品のことをファンドといいます。これが、野球におけるチームです。私たちはオーナーとして投資をし、どんな商品を買うかはファンドマネージャーを信じて託しているわけです。なので「投資信託」という名前なんです。投資信託はさまざまな商品が組み合わさっているた
め、分散効果がある程度高いといえます。

積み立て投資で時間を分散
投資信託で最も重要なのが、長期的な期間をかけて、積み立てで投資をすること。そして、積み立て投資では、価格が変動する商品を、常に一定の金額で定期的に買い続けることが一番大事です。これを「ドル・コスト平均法」といいます。投資するタイミングを分散させるため、「時間分散」となります。
毎月20,000円ずつ、金融商品を10回買うことにすると、元本は200,000円ですね。価格が10,000円のときに買い始め、最低で5,000円まで下がり、6,000円のときに売るとしましょう。10,000円が6,000円になったと思ったら、損した気がしますよね。でも、投資の成果は「口数×価格」で決まります。この場合は36.4口×6,000円=218,400円となります。元本が200,000円なので、運用成果として、じつはプラスになっています。

積み立て投資では、今まで何口買って(口数)×それをいくらで売ったか(価格)がとても重要になります。価格が下がる=危ないと考える方が多いのですが、積み立て投資において大事なのは、価格が下がることで大きく口数を買えるということなので、下がったから焦って売却をしてしまうというのは、避ける必要があります。
そういったことが怖いと考える方は、プロのサポートをつけることも視野に入れてもいいかもしれません。
NISAとは?
NISA(ニーサ、Nippon Individual Savings Account:少額投資非課税制度)とは、投資で得た利益を非課税で受け取れる制度のこと。たまに「NISAをください」と仰る人がいますが、NISAという商品はないのでお気をつけくださいね。
本来、投資で得た利益には20%の税金がかかりますが、NISA口座だとこの税金がかかりません。現行NISAでは、成長投資枠とつみたて投資枠が併用可能です。合計で1,800万円まで投資できます(表1)。

つみたて投資枠の投資対象商品は、リスクが低かったり、手数料が安かったりと、初心者でも扱いやすい商品が多いです。成長投資枠は一括でも、分割でも買える商品がそろっていて、投資できる幅が広いのが特徴ですね。つみたて投資枠と成長投資枠(投資信託に限って)、どちらの枠で買える商品も金融庁から認可されたものとなっています。
なお、プロに頼らず自分でつみたて投資枠を始める場合、ネット証券の口座ではつみたて投資枠で採用されている約250銘柄のうち約200銘柄を自身で買えますが、銀行や総合証券の口座では20程度の商品しか扱えないので注意してください。
すべての人に投資の機会が生まれたNISA
NISAはイギリスのISA(Individual Savings Account)という制度に「日本」の「N」をつけたもの。これまで基本的に資産運用はお金持ちがするものでしたが、NISAの登場により、一般人にも機会が与えられるようになりました。資産を増やせるチャンスがもてるようになったのです。
株価が下がったときには動揺が広がりがちですが、それはまだ資産運用のやり方を理解していない人が多いから。株価が上がっているときに、「もっと上がるのでは?」と思って始める傾向があります。
例えば、卵のことを考えてみましょう。卵が1パック300円のときに買おうと思うでしょうか。70円のときは多めに買いたくなりませんか? このように卵は相場がわかっているから安いときに買いますが、株や投資信託は値段がわからないため、大きく値下がりしてしまうと怖くなって売却してしまう人が、過去の歴史を見て多いとされています。
そのため、そういった際にアドバイスを求めたり冷静な判断をサポートしてもらえるプロのFPが、海外では重要であるといわれています。
※この記事は『エキスパートナース』2025年定期購読特典『エキナスプラス』を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。


