翼状針・留置針を用いた末梢ルート確保の方法を看護師に向けてわかりやすく解説。穿刺時の角度や留置針の構造、刺入時の注意点などを学べます。

※この記事は『エキスパートナース』2026年5月臨時増刊号「点滴・輸液・夜勤 自信がつくキホンとコツ」の内容を再編集したものです。

Point1 血管の深さによって穿刺の角度を変える

 末梢ルートは大まかに、翼状針と留置針に分けられます。それぞれの使用場面と、メリット・デメリットを表1に示します。ルート確保の際の手順は、翼状針と留置針で基本的には同じです。

表1 翼状針と留置針のメリット・デメリット
翼状針と留置針のメリット・デメリットの表

 「Part1-1」〜「Part1-3」の方法(※誌面でご確認ください)を試しながら、刺入部位が確定したら、アルコールの使用が可能か(アレルギーがないか)を確認し、消毒をします。

 穿刺の際は、静脈が逃げないように左手の親指(右利きの場合)で皮膚を末梢側に軽く引き、針を皮膚面に10〜30度の角度で刺します。患者さんによって、解剖学的に皮静脈の深さは表皮から1〜10mm程度の差があるため、表皮が薄い人の場合には角度はつけずに血管まで穿刺できますが(図1-1)、深い場合には角度をつけないと到達しません(図1-2)。一方で、角度がつきすぎると神経を穿刺したり、静脈を突き破る可能性が高くなるため、注意が必要です。

穿刺時の角度の図

 静脈内に針が入ると、針先の抵抗が軽くなり、血液の逆流が見られます。血液の逆流を確認したら2~3mm進めて、固定します(翼状針は羽の部分を固定)。

 駆血帯を外し、しびれがないか確認し、ループをつくり、テープで固定します。固定が完了したら滴下速度を確認し、寝衣や衣類で覆っても、きちんと滴下するか確認します。

Poit2 留置針使用時の注意:内針だけが入った状態にしない

①内針と外針の位置に差がある

 留置針の構造は図2のようになっており、外針(外筒)と呼ばれるチューブ状のプラスチック製のカテーテルと、内針(内筒)と呼ばれる金属の針、フィルターキャップで構成され、内針を覆うように外針が装着されています(刺入後は、内針のみを抜くため、やわらかいカテーテルのみが血管内に留置される)。

図2 留置針の構造
留置針の構造の解説図

 内針が血管に刺さると、血液がフィルターキャップ内に流入してきますが、上記のような内針と外針の二重構造のため、血管内に内針は入っていても、留置する外針が血管内に届いているとは限りません図3-1)。そのため、内針と外針の差を意識し、逆血を確認したらそのまま2~3mm押し進めることが末梢ルート確保を成功させるポイントになります(図3-2)。

図3 留置針刺入の際の注意点
留置針刺入の際の注意点の図

②カラーコードや種類ごとの特徴に応じて用いる

 留置針には、針の外径にもとづいてカラーコードが決められています(表21。以前は留置針などのサイズに基づくカラーコードはメーカーごとにまちまちでしたが、安全性の観点から、すべてのメーカーのカラーコードが国際規格であるISO規格に統一されました。

 留置針は外径によって大まかに用途が決まっており、太いものは輸血や大量輸液に使用します。23Gよ
りも細いものを使用すると溶血してしまう可能性が高いからです。細いものは小児や血管が細い患者さんに使用します。
 留置針には、針刺しや、血液曝露(ばくろ)が防止できるような機能のついたものがあります。

*翼状針にもカラーコードは存在するが通常の注射針や採血用針などと同じ1であるため、ここでは割愛。

1.医薬品医療機器総合機構ホームページ:医薬品・医療機器等安全性情報 No.234 注射針等カラーコードの統一について(平成19年3月22日).
https://www.pmda.go.jp/files/000143298.pdf(2026.4.20アクセス)

\続きは誌面で/

EN2026年5月増刊号表紙

エキスパートナース2026年5月臨時増刊号
点滴・輸液・夜勤 自信がつくキホンとコツ

三浦まき 編、中村綾子 編、節原光江 編
東京ベイ・浦安市川医療センター看護部 編
B5・116ページ
定価:1,980円(税込)
照林社

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