せん妄のメカニズムを知れば、効果的な対応・ケアが見えてきます!今回は日常の看護の場面における、せん妄のアセスメントの方法を紹介します。症状の有無を評価する方法とは?

せん妄のアセスメントのコツ:せん妄症状の有無の変化

 せん妄の症状の評価には、せん妄スクリーニングツール(Delirium Screening Tool:DST)などの使用も有用です1。しかし、日常の看護の場面でも、患者さんの様子からせん妄の症状の有無を評価する方法があります。

1)注意力障害は、視線が合わず、会話が成り立たない

 注意(集中)の障害があると、視線を合わせての会話が難しくなります。会話中に“目を背ける”“すぐに眼を閉じる”“視線が合わない”などは、「機嫌が悪い」のではなく注意障害です。

 また、“話のつじつまが合わない”“会話がちぐはぐ・成り立たない”のは、注意の維持ができないことによる症状です。

2)意識障害は、起こしてもなかなか覚醒しない

 せん妄の原因の1つとして、睡眠障害・概日リズム障害が挙げられます。また、軽度の意識障害の場合、寝ているようにみえます。

 そのため、せん妄リスクのある患者さんに傾眠や昼夜逆転があれば、意識障害を疑いましょう。正常な睡眠の場合も意識は低下しますが、刺激ですぐに覚醒します。つまり、起こしてもなかなか覚醒しない患者さんは寝ぼけているのではなく、意識障害があるのです。

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