さまざまなデバイスが存在する酸素療法を、基本から解説!今回は、リザーバマスクと経鼻カニューレを併用した事例を紹介します。
重症肺炎で入院している患者さん。呼吸困難が強く、リザーバーマスクで流量15L/分で酸素投与していますがSpO2は88%と低値です。経鼻カニューレを併用して流量10L/分を追加で投与すると、SpO2は95%まで上昇しました。
低流量システムは、酸素濃度が換気量に左右される
酸素療法とは、空気中より高い濃度の酸素を投与することで、主に低酸素血症に対する対症療法として実施されます。
このケースで使用されているリザーバーマスクと経鼻カニューレ、また臨床でよく使用されている簡易型酸素マスクは低流量システムによる酸素投与に分類されます。
それぞれの酸素流量と酸素濃度の目安は、【第3回】を参照してください。
低流量システムは、患者さんが吸気を吸うスピード(吸気流量)よりも、遅いスピード(流量)で酸素が供給されているシステムであるため、吸気時には供給される酸素だけではなく、必然的に室内気も吸入します。
したがって、患者さんの呼吸様式や吸気流量の変化によって換気量が変化すると、吸入酸素濃度も変化します。
リザーバーマスクと経鼻カニューレ併用の効果を得るには
このケースは重症肺炎で呼吸困難が強く、リザーバーマスクを使用していても低酸素血症が改善されないために、経鼻カニューレを併用しています。まず、これらのデバイスの特徴をみていきましょう。
1)併用により、リザーバーマスクの機能が損なわれる
リザーバーマスクは、リザーバーと呼ばれる酸素を溜める袋がマスクに付いた設計になっています(図1)。
通常6L/分以上の酸素流量で、リザーバーが膨らんだ状態で使用することにより、流れてくる酸素以外に、リザーバーに溜まった酸素も吸入することで高濃度の酸素吸入が可能です。
患者さんの換気量が多い場合、酸素流量が少ないと、リザーバーが虚脱して十分な酸素吸入ができないため、リザーバーが膨らんだ状態を保てる酸素流量が必要となります。
さらに、リザーバーが膨らんだ状態であっても、患者さんの呼吸に合わせてリザーバーの伸縮を認めなければ、リザーバー内の酸素を吸入できていない可能性があるため、マスクフィッティングも重要です。
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