さまざまなデバイスが存在する酸素療法を、基本から解説!今回は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さんのSpO2低下時、経鼻カニューレで酸素投与をした事例を取り上げます。この場合の酸素投与の効果とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さん。夜間就眠するとSpO270%まで低下するので、就眠前に経鼻カニューレで酸素投与を開始しました。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さんへの酸素投与は意味があるのでしょうか?日常の臨床で睡眠時無呼吸が起こり、SpO2が低下した場合には酸素投与が頭をよぎるかもしれません。
しかし、睡眠時無呼吸のSpO2低下に対し、酸素療法はSpO2の維持や上昇につながるのでしょうか?ここでは、睡眠時無呼吸症候群のSpO2低下について考えていきましょう。
睡眠時無呼吸の主要な原因は“上気道の狭窄・閉塞”
睡眠時無呼吸症候群には2つのタイプがあります。閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と中枢性睡眠時無呼吸(CSA)です。また、中枢性睡眠時無呼吸には、チェーンストークス呼吸を伴うもの(CSR-CSA)もあります。
“閉塞性睡眠時無呼吸”では、酸素より気道開通を
閉塞性睡眠時無呼吸は、米国睡眠学会(AASM)の基準によって「EDS(日中過眠)もしくは閉塞性無呼吸に起因するさまざまな症候のいくつかを伴い、かつ無呼吸低呼吸指数(AHI)≧5」と定義されており、この主な原因は上気道の狭窄・閉塞です。
仰臥位で就寝したときに、重力の影響を受け軟口蓋や舌根部が沈下するため、上気道が狭小化もしくは閉塞します。また、睡眠に入ると上気道の筋肉群(オトガイ舌筋などの上気道拡大筋)が弛緩するため、上気道はさらに狭小化・閉塞してしまいます(図1)。
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