看護師が日常ケアの延長でできるリハビリテーション“ちょっとリハ”とは?今回は、患者さんの自発的な動きを引き出すための食事介助のポイントを紹介。麻痺のある場合も解説します。

気持ちを食事に向かわせるために

 食事への注意を向かせづらい患者さんに対しては、手にスプーンを持たせ、その手を覆うようにして介助して食べさせることも、自然な食事の流れ(食べものをすくってから嚥下するまで)を誘発する効果が期待できます(図1)。

図1 食事への誘導

スプーンを持たせて食事へ誘導するイラスト
実施すると…

●自身で食べものをすくい、口に運ぶという流れに誘導できる

 スプーンを持たせた手だけを介助するのではなく、スプーンを持つ手の肘から支えるようにします。肘の位置が安定することで、肘から先の手の動きの自由度が高まり、患者さんの自発的な動きを引き出すことが期待できます

 介助する際には、必ず患者さんと視線の高さを合わせます(介助者の視線が高くなると、自然と患者さんもそれに合わせて上を向くような姿勢になってしまうため)。 視線の高さを合わせることは、喉の動きを見て、嚥下したか否かの確認をする際にも有効です。

 脳卒中後などで麻痺のある患者さんの場合、健側を下にした状態で、麻痺側に首をひねるような姿勢をとらせることも有効です(図2)。

図2 麻痺のある患者さんの食事介助(右半身麻痺の場合)

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