産業医は従業員の就業のために、さまざまなサポートをしている

 産業医が何をしているかというと、会社の内外から従業員が健康かつ安全に就業できるように産業医学の観点からサポートをしています。例えば、職場巡視、健康診断の実施、産業医面談などです。すべて書き出すことはスペースが限られているため難しいので、知りたい方は「産業医の職務」でweb検索してみてください。

 僕のいた産業医科大学でも、病棟以外にも精神科の医局まで産業医の先生が来て、職場の安全に関して指導をしていました。皆さんの職場の巡視ですので休憩場所などの巡視は行いますが、マンホールの中など皆さんの仕事場ではないところは巡視をしていません。病院でのストレスチェック後の面接を行うのもほとんどが産業医です。

 産業医に関しては講習を受けるだけでテストもなく資格をもらえるため、実力の差が激しいのが現状です。上位の資格というと誤解があるという先生もいらっしゃるかもしれませんが、日本産業衛生学会専門医や労働衛生コンサルタントをおもちの先生方は、産業医学に関しては厳しい試験を受けて合格された先生になります。

働くナースのための精神医学【第3回】産業保健の分野で働く看護師に求められること

近年の精神医学では、「発達障害」は「神経発達症」というなど、呼び方が変わってきている疾患もありますが、この連載では、あえてみなさんになじみのあるであろう名前で呼んでいます。
この記事は『エキスパートナース』2021年4月号連載記事を再構成したものです。
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