ワケがあって医師がオーダーしている画像検査。臨床場面でナースがとりたい画像からの情報をわかりやすく示します。最終回は、腹痛の患者で異所性妊娠破裂、上腸間膜動脈塞栓症を鑑別するポイントについてです。

 腹痛の患者での画像の着目ポイントは第47回を参照ください。

異所性妊娠破裂

 HCG(human chorionic gonadotropin:ヒト絨毛性ゴナドトロピン)陽性の腹痛でショックを疑うような場合には積極的に疑います。

 エコーなどで腹水があれば破裂をさらに積極的に疑い、造影CTなど画像検査で確定診断を行います。 破裂した部位からの出血で出血性ショックとなるため、早急な止血術が必要です。

ここをチェック

●出血性ショックでは末梢血管が締まっていて、点滴の滴下速度が遅くなることがある。また、輸血や昇圧剤の使用も考えられ、点滴ルートは2本以上が必要
●針は太い針で、肘正中皮静脈など太い血管を狙うようにする

上腸間膜動脈塞栓症

 心房細動があったり血栓リスクの高い高齢者の腹痛で考えます。

この記事は会員限定記事です。