筋萎縮性側索硬化症(ALS)の終末期に行いたいケアを紹介。特にコミュニケーション障害と呼吸困難への対応を解説します。モルヒネの導入基準も確認しておきましょう。
多様なケアが求められるが、特にコミュニケーション障害と呼吸困難に注意する
たとえ根治療法がなくても、緩和的治療・ケアは積極的に行っていく必要があります。
さまざまな症状に対する対症的な薬物療法の際は、副作用として呼吸抑制が起きないように慎重に薬剤を選択します。例えば、睡眠薬であれば、ベンゾジアゼピン系よりも呼吸抑制の少ないゾルピデム(マイスリー®など)を選択します。
ほかに、エアマットの調整、安楽なポジショニング、痛みに対するリハビリテーション(ストレッチ、関節可動域〈ROM〉維持訓練を、筋疲労を残さない程度に行う)、唾液処理(誤嚥や審美上の問題による)のための唾液用低圧持続吸引器の使用や薬剤(アミノトリプチリン〈トリプタノール〉、スコポラミン軟膏〈薬価未収載〉など)によるコントロール、および口腔ケアなど、多岐にわたる緩和ケアが求められます。
ALSにおいて特に注意したいケアとして、コミュニケーション障害と呼吸困難が挙げられ、以下にそれぞれについて解説します。
①コミュニケーション障害への対応
・文字盤、IT 機器、多様なスイッチを用いたコミュニケーションツールによる意思疎通
②呼吸困難への対応
・呼吸リハビリテーション
・排痰補助装置での気道クリアランス改善・無気肺予防
・換気補助
NPPV:呼吸困難の増悪に注意
TPPV:血圧変動、低体温、持続的な気道内圧上昇、異常な高血糖、全身性浮腫に注意
コミュニケーション障害:文字盤など、コミュニケーションツールを用いる
コミュニケーション障害に対しては、文字盤、IT機器、さまざまなスイッチ*1を用いたコミュニケーションツールなどを導入します。
医療スタッフがこれらのコミュニケーション方法に習熟することで個々の患者さんとのコミュニケーションが可能となれば、双方のストレスが減り、看護ケアの質が高まるに違いありません。
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