【第1回】緩和ケアの最新の考え方
【第26回】神経難病の終末期①入院患者のサイン
【第27回】神経難病の終末期②症状・病態の変化
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多様なケアが求められるが、特にコミュニケーション障害と呼吸困難に注意する
たとえ根治療法がなくても、緩和的治療・ケアは積極的に行っていく必要があります。
さまざまな症状に対する対症的な薬物療法の際は、副作用として呼吸抑制が起きないように慎重に薬剤を選択します。例えば、睡眠薬であれば、ベンゾジアゼピン系よりも呼吸抑制の少ないゾルピデム(マイスリー®など)を選択します。
ほかに、エアマットの調整、安楽なポジショニング、痛みに対するリハビリテーション(ストレッチ、関節可動域〈ROM〉維持訓練を、筋疲労を残さない程度に行う)、唾液処理(誤嚥や審美上の問題による)のための唾液用低圧持続吸引器の使用や薬剤(アミノトリプチリン〈トリプタノール〉、スコポラミン軟膏〈薬価未収載〉など)によるコントロール、および口腔ケアなど、多岐にわたる緩和ケアが求められます。
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