看護師が知っておきたい、アピアランスケアの知識を解説。今回は抗がん剤治療による髪質の変化(変色・縮毛)についてです。メラノサイトなど髪のなりたちを踏まえて、がん化学療法看護認定看護師が説明します。
Q. 髪質の変化(変色、縮毛)はいつ始まる?どんなことに気をつけたらよい?
ひとこと回答
脱毛した後の再発毛時に、髪質が変化することがあります。患者さんの悩みに応じて、ヘアカラーリングや縮毛矯正を検討しましょう。
再発毛時に髪質が変化する場合がある
化学療法により脱毛した後の再発毛時に、白髪や茶色など髪の色調が変化する(髪の色が薄くなる)ことがあります。これは、毛包下部の毛球部にあるメラノサイト(髪の黒色の素となるメラニン色素を生成する細胞)が傷害されることによって起こるといわれています(図)1。発毛し始めたころの髪が白髪でも、新たに毛包上部のメラノサイト幹細胞からメラノサイトが供給されることで、髪の色調は戻ってくる場合があります。
図 髪のなりたち
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