冠動脈インターベンション(PCI)後の患者さんについての研究結果をもとに、実践したいケアを紹介します。

【第41回】冠動脈インターベンション(PCI)後の患者さん[前編]研究から明らかになったこと

「心臓病であることの意識」をもち、療養行動を継続できるように支援

ケアのポイント

●「心臓病であることの意識」がどのようであるかを確認し、 心臓病であることを再認識できるようにかかわる
●療養行動の必要性と虚血性心疾患の危険因子に関するデータもあわせて、継続的に療養行動を支援していく
●急性期から慢性期にわたり、「心臓病であることの意識」と療養行動を継続して支援する

治療による安心感や症状が消失したことなどが「心臓病であることの意識」を薄れさせる

 入院から退院後、外来通院中において継続して「心臓病であることの意識」をもち続けるためには、薄れる要因や薄れていく時期をポイントにした支援を行うことが必要になります。
 そして、「心臓病であることの意識」をもち続けることができるような支援を行うことが療養行動の継続につながっていきます。具体的な支援の内容を以下に示します。

1)「心臓病であることの意識」を確認する1-3

 「心臓病であることの意識」の薄れは患者により、初回外来通院時、特に2~3か月後の外来通院時に見られていました。そのため、初回・2~3か月・6か月後等の外来通院時ごとに、患者さんとのかかわりを通して、心臓病であることの意識がどのようであるかを確認する必要があります。

●自覚症状の有無や、退院してからどのように過ごしているのかなどの会話から、患者さんが自分の心臓病に対して現在どのように理解・認識しているのか、心臓病に対する思いなどを確認する

2)心臓病であることを再認識できるように支援を継続的に行う1-3

 自覚症状のない患者さんは症状のないぶん、危機を感じとることができません3。しかし、外来通院することや医療者とかかわることで、自分が心臓の病気であることを再認識したり、これまでの経過を振り返ることで自分が心臓病であることを意識する患者さんもいました。

この記事は会員限定記事です。