拘縮患者さんに適切なケアを行うために、看護師が知っておきたいポイントとは?今回は、拘縮の予防・改善のためのポジショニングを紹介。仰臥位、側臥位のポジショニングをそれぞれ見ていきます。

拘縮予防につながるポジショニングの方法は?

 よいポジショニングは、拘縮の予防につながります。それでは、どうやればいいの?とすぐに適切な答えを求めたくなりますね。筆者が重要と感じていることは自分で考えること、そのためには体験をすることが一番と考えています。

 ここで、「筋緊張のある状態」を、2人1組(患者役、介助者役)になって体験してみましょう。自分のベッドでもかまいません、長いソファーでもかまいませんので、一度横になってみてください。

まずは自分で体験

①患者役は横になって、「これ以上は無理!」と思うところまで身体の半分をベッドからはみ出してみてください。絶対に落ちてはダメですよ!(笑)

筋緊張の疑似体験

②それでは、ここでもう1 人に助けてもらいましょう! 介助者は人差し指2本を出して、1本は肩甲骨付近、もう1本はおしり付近にあててみてください。
 そして、ベッドで横になっている方に、以下のように質問してください。きっと指2本あてられたほうが、力は抜けていると思います。

補助による筋緊張の解除

 ここにポジショニングのコツがあります。たった2本の指先の面積を肩甲骨付近やお尻付近にあてるだけでも、緊張がほぐれることが感じられたと思います。
 では、あなたの病棟にいる患者さんは、どのような支えがあったら緊張がほぐれるでしょうか?
 
 ポジショニングのポイントとは、拘縮側にも緊張の緩和を得られるように、どうやって身体を正しく支えるかを考えることです。

仰臥位のポジショニング

 まず、最初に理想的な仰臥位のポジショニングを提示しておきます(図1)。以降で1つずつ、ポイントを見ていきましょう。

図1 理想的な仰臥位のポジショニング

理想的な仰臥位のポジショニング

頭部のポジショニング

頭部の間違ったポジショニング

 間違った枕の選定は、過度の緊張を助長します。特に図2(矢印部分)の隙間には注意が必要です。また、枕がないまたは低いと、図3のような状態になります。顎が自然と挙上されているのがわかると思いますが、これらの姿勢にはどんな危険性があるでしょうか?

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