気になるあの人が「残りの人生でぜひ読んでみたい」「もう一度読み返しておきたい」と心に刻んだ本をご紹介。ゴールデンレトリバーのアイコンでおなじみ、古典文学をはじめさまざまな情報をSNSで発信する編集者・たらればさんが選ぶ「人生の宿題書」とは?

人生の旅路で出合う本は、ときに道しるべとなり、ときに心を癒す力をもっています。
このシリーズでは、気になるあの人の「残りの人生でぜひ読んでみたい」「もう一度読み返しておきたい」と心に刻んだ、かけがえのない一冊をご紹介します。
それは、新たな視点を与えてくれるものかもしれませんし、過去に戻りながら自分を見つめ直す鍵となるかもしれません。
あなたにとっての「宿題書」は何ですか?
人生を豊かにする読書の旅へ、一緒に出かけましょう。

たらればさんの「人生の宿題書」

『カラマーゾフの兄弟1』(全3巻)
ドストエフスキー著、亀山郁夫訳、光文社古典新訳文庫、2006年

『銀河英雄伝説1』(全10巻)
田中芳樹著、創元SF文庫、2007年

 「気になる本はとりあえず買う」「1ページでもめくったら【読んだ本】にカウントする」という信条をもつ自分としては、「人生の宿題書」は大変難しいテーマでした。「いつか読もう」という本は手元のiPadでとりあえずKindle版を探して買ってぱらぱらめくってしまうので。

 そんな私でも「これは今じゃないな……」と感じて、将来の自分へパスし続けている作品がこの2冊です。ドストエフスキーは『罪と罰』を、田中芳樹は『アルスラーン戦記』を、それなり以上に興味深く読んだので、面白いんだろうな、読んだらハマるんだろうなと思いつつ、きっかけがなく読めていません(特に後者は「ヤン・ウェンリーというキャラクター、漏れ聞く情報のすべてが、どう考えても好きになりそうだ……」という第ゼロ印象があり、がまんしきれず少し前にマンガ版を読んでしまいました……)。

 年をとれば目が悪くなるし集中力も落ちるので、長編作品こそ若いうちに読んでおきたいのに、それでも読まずにいるのは、心のどこかで「絶対に面白いだろうから未来の自分への贈り物としてとっておこう」という心境があるからだとは思うのですが、一方でそんなに面白いなら早く読んだほうがお得ですよねえ、とは思うんですよ。思っていても読めていない。まさに「宿題」です。はあ……。

初出:『別冊エキスパートナースプラス』(2025年、照林社)

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