金利とは何かを看護師専門FPがやさしく解説。銀行預金のお金の価値が下がる理由や、物価が高いのに景気がよくない理由を、図解とともにわかりやすく紹介します。
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年金とインフレをやさしく解説!
金利とは?
金利は、お金を借りたり、預けたりする際に発生する利息の割合のことです。銀行に預ける際つく金利は、預金金利(貯蓄金利)といいます。例えば、100万円を年利1%の定期預金に預けると、1年後に1万円の利息が受け取れます。
金利の種類には、住宅ローンの固定金利のような契約時に決めた金利が変わらない固定金利と、変動金利型のローンのような市場の動きに応じて金利が変わる変動金利があります。
銀行預金のお金の価値は?
バブル期の金利は、普通預金が2.0%、定期預金は6.0%でした。素晴らしい時代ですね……。今はメガバンクでは、普通預金が0.1%、定期預金が0.125%~0.4%程度です(銀行や預ける年数によって変わります)。それでも、「減らないからまし」だと思っていませんか?
消費税は8%から10%に上がりました。1袋108円だったポテトチップスは110円に。これもインフレ(=お金の価値が下がる)です。では、預金口座に100万円あるとします。ポテトチップスが108円のときと、110円のとき。果たして100万円の価値は同じでしょうか。……買えるポテトチップスの量が変わっていますよね。そう、知らない間に預金口座のお金の価値は下がっているんです。仮に今の物価上昇率(インフレ率)年2.0%が続くとすると、20年後には1,000万円の価値は約672万円に下がってしまいます(図1)。

物価は高いのに景気がよくない理由は?
でも、「日本でそんなにインフレになるの?」という疑問がわきますよね。政府はインフレを進める方針なんです(図2)。

企業の利益が上がる、つまり好景気だと、賃金は上がります。すると、財布のひもが緩んでお金を使うようになります。世の中にお金の流通量が増えれば、お金の価値は下がります。「少ないもののほうが貴重」と考えるとわかりますね。
このように、日本政府としては賃金を上げて購買意欲を高めたい(図3)。ですが、給与所得は先進国のなかで最低水準と、実際にはうまくいっていないわけです。

日本の物価は上がっていますが、景気はよいでしょうか。コロナ禍の後、アメリカのインフレ率は9%ほどでした。ロックダウンの影響で、日本の4倍くらいのスピードで物価上昇が起こったのです。
アメリカでなぜインフレが起こったのかというと……ロックダウンにより仕事ができなくなった人へ、アメリカは月40万~50万円の失業保険を配りました。そしてロックダウンが終わると、失業者はより賃金が高いところで働こうと様子見をしたのです。その結果、人手不足に。賃金を上げざるを得ない状態となり、インフレとなりました。
さらに、一例として半導体が不足することにより、電化製品や自動車など多くのものが不足となり、ロシアとウクライナの戦争が始まって、石油代は高騰。その影響で、日本では特に食品が値上がりするという状況になってしまいました。日本の物価が上がっているのは、アメリカをはじめとした海外のインフレの影響であって、先ほど説明したような日本の好景気の循環によるインフレではありません。よって、日本の景気がよいとはいえないのです。
一般企業と比べて、看護師は賃金が上がりにくい
厚生労働省によると、令和7年度には91.5%の企業が賃上げを実施(予定含む)。一方で、医療機関の賃上げについて、「賃上げ実施(予定含む)」と答えたのは55%でした1。看護師は一般企業の業種よりも賃金が上がりにくいのです。転職しても給料が上がらない、というケースも多いです。
- 1.日本病院会,全日本病院協会,日本精神科病院協会,日本医療法人協会:2025年度 医療機関における賃金引き上げの状況に関する緊急調査(2025.6.25)
https://www.ajha.or.jp/topics/4byou/pdf/250626_1.pdf(2026.1.6アクセス)
Illustration:FUTO、R-DESIGN/PIXTA
※この記事は『エキスパートナース』2025年定期購読特典『エキナスプラス』を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。

