のぞいてみたい、ヘアメイクの世界

 菊池美香さんが仕事を通して感じたこと、メイクをする上で大切にしていることなどを、今回のテーマに合わせて紹介します。ヘアメイクの世界をのぞいてみて。

メイクは心地良さの追求

 「メイクは社会人としてのたしなみ」と、新社会人はメイクをアップデートしようと頑張るのではないでしょうか。

 化粧品ブランドが新作に力を入れるのは3月。新しいステージに立つための準備として、メイクは重要な役割を担っています。

 ここ数年、日本のメイク事情は大きく変化しました。顔をマスクで覆う、人々が対面する機会の激減に始まり、今何かと耳にする「多様性」は善し悪しの判断がこれまで以上に個々に委ねられている反面、顔の見えないSNS上では他者への嗜好と論理観への攻撃性が増している場面も見られます。

 多様性の時代に美容業界も日々変化を遂げていますが、まだ業界の外まで届いていないのが現状です。

 他者をケアすることにおいて、まずは自身を一番にケアすること。医療者としての大前提でありながら、なかなか実現が難しいかもしれません。そんななか、メイクは自身を見失わない日々のケアとしての可能性があるツールです。

 ビジネスメイクは単に疲れを隠す、大人っぽく見せるだけではありません。衣類よりも直接的に肌に触れるスキンケアやコスメは人間関係同様、大きな環境因子のひとつです。

 メイクに正解はありません。つまり、不正解もありません。手先の器用さ以上に、自分がメイクをまとうときの心地良いと感じる感覚、それを知ることが最も大切です。

 メイクがうまい、というのは自分自身を主観的にも客観的にも理解していることとつながります。それが周囲に伝わると安心感や信頼感が生まれます。 だからこそ、メイクは社会の中での自己の成長に必要なことのように感じます。

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